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支流からの眺め

最近の気になる情勢(11) 日本・米国・台湾

 衆議院選挙は自民の大敗だった。党内野党の石破には、必死に支えてくれる部下や参謀がいなかったようだ(人望がない?)。代りは元岸田派の誰かになるのか。とにかく、自公だけの密室政治で政策決定ができなくなったのは大いに結構だ。国会で野党と徹底議論をしてもらいたい(これが本来の国会だ)。

 その野党とは、立民、維新、国民、れいわ、共産、参政、保守、社民だ(議席数順)。各党の主張はモザイク状態だが、国民生活に直結するのは税制(特に消費税)の扱いで、伝統的な価値観や文化に関係するのは女系天皇と夫婦別姓の問題だ。これらの点を見るだけで各政党の特性はかなり分かる。

 民主主義の社会では、権力者は構成員の負託を受けてその地位にある。しかし、時とともに受けた負託を忘れ、自己保全を優先するようになる。今回の自民敗退も、主権者たる国民が自民の党内論理優先に嫌気がさしたということだ。そう考えれば、この結果は健全な民主主義が動いた証拠と言える。

 その民主主義の御本家では大統領選挙が目前だ。国を分断する状況だが、トランプ優勢のようだ。この2か月ほどはハリスの新顔祝儀があったが、そもそも超大国の大統領の器量ではない。政策議論を交わす中でそれがバレてきた。トランプ不利と報道し続ける日本のマスコミの軽薄な無能さもバレるだろう。

 トランプは日本に有利か不利か。米国服従の戦後体制の枠内では、誰が大統領でも日米関係に大した変化はない。それより、わが国のような資源小国(貿易依存国)の存立には世界の平和が最優先だ。今の世界の紛争を収拾できるのはトランプしかいない。この一事だけで、有利か不利かは自明だ。

 民主主義を守る台湾は10月10日が国慶節だった。その演説で頼清徳総統が、中共国に、「自覚をもち地域と世界の平和と繁栄のために共に貢献しよう」と呼びかけた。また、中華民国(台湾)と中華人民共和国(中共国)の年齢を各々113歳と75歳とし、年少者が年長者の父になることはないとした。

 この演説は有徳の先達が悪事に走る後進を諭すような内容で、年功や面子を重んじる華人や中共国には痛烈な侮辱だろう。「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す」という国書に隋の煬帝が激怒した故事を思い出す。日本の首相にも、このような歴史認識を踏まえた言動を期待したい。

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