★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.06.30)
日朝合意「再調査」-こんな問題が起きないか緊急国民集会 報告5
◆合意文書にはたくさんの穴がある
櫻井よしこ
この合意文書が北朝鮮を縛るというよりも、むしろ日本を縛る。例えば遺骨の問題について多少の進展があったらそれなりのことをしなければならない。他方拉致問題で進展がない危険性だってあり得るというご指摘ですね。
荒木和博
北朝鮮側は、いつどうやって反故にするか、どうやって取るものだけ取って後は知らん顔をするかということだけを毎日考えているわけですから。その前提でやらなければいけないんじゃないかと思います。
櫻井よしこ
ありがとうございました。今日の集会はただ単なる批判に終わらせたくないと私は思っています。交渉は始まったわけです。何と言っても始まったわけです。
これを何としてでも成功させなければならない。拉致被害者を取り戻さなければならないわけです。
この文書そのものには今分析をしていただきましたようにたくさんの穴がありますが、それを越えての政治判断に踏み切ったからには、今までと同じように家族会、救う会、議連、そして政府が一体となって何としてでもこの交渉を成功させなければならない。
じゃあ成功させるためには拉致被害者を全員取り返すためには、これから私たちが何をすべきなのか。実はこれが一番難しいところなんですね。交渉を再開させるまでのプロセスも大変だっただろうと正直思います。しかしこれからの方がもっと大変なんです。
これから私たちは、各々の立場がありますけれども、この拉致問題解決に向けて絶対に失敗しない、取り返すことを確実にするために何をなし得るかということについて最後にお話をいただきます。平沼先生からお願いします。
◆しっかりとした制裁を続けること
平沼赳夫
西岡先生がるる指摘されて、私も冒頭言いましたが、この合意文書と言うのは重箱の隅をつつくように見ると瑕疵だらけなんです。だけど例えば総理官邸の会議に松原先生も出られましたが、総理大臣も出た会合において、こういったところが問題ですよという文書を我々は出しました。
しかし、やはり総理以下まなじりを決してやっていることなんだから、我々としてはこの動きを評価して全面的に支援をしたい。そういうこともはっきり申し上げました。その前提として、私は絶対に大切なことはやはり日本人がこの問題の全面解決で団結をすることなんです。
もう一つは、これまで苦しめてきた制裁というものをしっかりやっていく。これに私は尽きると思うんです。例えば軍事力のあるアメリカなんかは、拉致の問題に遭遇すると、クリントン大統領やカーター大統領が平壌に行けばその日のうちに被害者が出てくる。それは力があるからなんです。
彼らはこずるく日本の今の憲法の問題や、そして日本の軍事力の問題を冷徹に見ているわけです。ですから本当に日本が毅然としてやるには、さっきご意見がありましたが、平壌に爆弾を落とすぞというくらいの力を日本は持たなければだめなんですが、これは時間がかかります。有本さんがよく言われる憲法の改正だって時間がかかるわけです。
ですからこれには国中がもう一度しっかりと団結することと、そしてしっかりとした制裁を続けることです。この問題で非常に造詣の深い中山恭子先生が、私も最初に言いましたが、交渉が始まる前に条件を緩和するというのは愚の骨頂だと。これは政府の弱腰の現れですから、ここはしっかりしていかなければならないということで、2つのことを毅然とやっていかなければと思います(拍手)。
櫻井よしこ
ありがとうございました。次に、他の政治家の方々もいらしてますので、松原仁さん。この交渉が始まってしまいましたので何としてでも成功させなければならない。そのために各々の立場でできることは何かについて。
◆5人返して反北キャンペーンが吹き荒れたトラウマが北にある
松原 仁
日本政府は、どういうことを北がやってきた時にそれに対してどう向き合うかを明快にしておくことが私は必要だと思っています。さきほども言いましたが、オールジャパンでジャッジをすべきだと。つまり私は前から申し上げているように、特定失踪者について日弁連の人権侵害申立ての人たち、そして認定被害者。
ここは明快にその帰趨を明らかにすべきだと思います。
死んでいるならば本当に死んでいる証拠を出せ、と。生きているなら戻せというのが当然のことだと思っています。この最低限の条件をきちんと付きつけた上で、他も当たるということをやってくると思います。
その上で大事なことは、例えば日本政府は寺越さんに関して拉致とはしていませんが、これは明らかに拉致ですから、こういったものに日本政府がどう向き合うかということも大きなポイントになります。
では具体的にどこまでどうなった時に、どこまで北朝鮮に対して向き合うのか。
100点満点はないわけですから、それに関して政府だけが判断するのではなく、先ほどから申し上げているように、日本側は北が出してきたものをジャッジ(検証)をするぞ、と。その上でなければ我々は判断しないぞ、と。そのジャッジをするメンバーは、前のめりの外務省ではとんでもないことになってしまう。私はこの問題では外務省を信用しておりません。
従って、この問題に関しては、私は基本的にここにおられるような、拉致議連の会長を含む何人か、そして救う会、ここに増元さんがおられますが家族会、調査会。こういったオールジャパンで、後は先ほど申し上げたような櫻井さんのようなずっとこの問題に寄り添ってきた方々。これはよく分かっているわけですから、そういう方々が北に対して、これは評価できないぞということも含めて向き合う。
その中から、北は北で、向こう側の立場に立った時には、確かに日本側が何を言ったら許してくれるのか。彼らは彼らで5人返して反北キャンペーンが吹き荒れたというトラウマがある。それは嘘ついたから当たり前だと我々は思っているけど、彼らにとってはそれはトラウマだから、そこをどういう形できちんと解決に向けるかというロードマップを官邸中心に作っていると思いますが、それをきちんとした上で戦いに臨むということがポイントです。
その上で、オールジャパンですから、官邸だけで判断すべきではないと思っています。以上です(拍手)。
櫻井よしこ
ありがとうございました。参議院議員の井上義行さんが来ておられます。安倍政権の時に平壌に行かれました。その観点からも私たちたちが今すべきこと、できることは何かということでお願いします。
◆北朝鮮側が拉致問題に関して傾けてきた努力を評価した外務省
井上義行
私は、今話があった西岡さんの解説、荒木さんの解説、あるいは櫻井さん、平沼さんの考え方とほぼ同じです。今までずっとこの問題をやってきて、調査というのは茶番と思っていまして、さっき荒木さんが言ったように、ストーリーの中に調査をやって北朝鮮の顔を立てて、「あ、出てきた」。これならいいんですが、
本当に調査するんだったらこれは間違いです。あり得ない。
ここを間違ってはいけないのは、拉致被害者の人たちは北朝鮮で働いて、賃金で生活しているのかということです。つまり拉致被害者の人たちは、自分たちでとうもろこしを作って食べてるわけでしょう。配給があるわけでしょう。配給があるのなら、生存者リストがあるんです。それを出すか出さないかなんです。
私もこれまで北朝鮮に行って交渉しましたが、その話を口酸っぱく言いました。これは拉致被害者の生存者リストを出すか出さないかの問題なんです。ですから、相手に都合のいい調査をしてしまったら、相手のペースになってしまうということなんです。これは一番気を付けなければいけないことで、口酸っぱく言ってきたことです。
今回の合意文書の中で一番気になっているのは、先ほど荒木さんから話のあったように、日本の外務省が前のめりになっているということです。
この前文の中で、なぜ「日本側は北朝鮮側に対し、1945年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨及び墓地」ここから始まっているのか。本来であれば、拉致被害者及び行方不明者、ここからスタートすべきなんです。
そしてもう一つのポイントは、次の「北朝鮮側は、過去北朝鮮側が拉致問題に関して傾けてきた努力を日本側が認めたことを評価」となっているんです。つまりですよ、北朝鮮が今まで日本側に示してきた調査とは何かを日本側が評価したということを日本外務省が言ったということでしょう。
そして「従来の立場はあるものの」とあるのは、拉致被害者が死亡したということはあるものの、ということなんです。ここが一番危険だと思っています。ですからこういう前提の調査というものは、我々が求めているものではないんだと。拉致被害者の生存者リストを出せ、そして拉致被害者を返せと強く言わないと彼らのペースにはまってしまうということなんです。
ですから、我々は2、3人とかそういう問題じゃない、すべての拉致被害者が帰ってくるまで我々は戦うぞということをお誓いします。宜しくお願いいたします(拍手)。
(6につづく)
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