これはだめだ!

自信喪失、無気力な日本に”喝!”、反日、侮日に反撃、一矢を報いる。

鳩山元首相のイラン訪問、その目的は 6カ国協議の仲介役“使い”?

2012-04-22 | 安全保障

鳩山元首相の今回のイラン訪問、その真の目的はどこにあったのだろうか?
 鳩山元首相が、イランを訪問し、同国の政府高官と会談したことを受け、この訪問の目的は何だったのか、様々な憶測が飛び交っている。
 鳩山元首相は、テヘラン滞在中、アフマディネジャード大統領、ジャリリー国家安全保障最高評議会書記長、ラーリージャーニー国会議長、サーレヒー外務大臣など、イランの政府高官と会談した。 
 鳩山元首相は、民主党の外交担当最高顧問であり、総理大臣の経験者でもある。政府や与党は鳩山元首相のイラン訪問を阻止すべく批判していたが、批判は帰国後も続き、政府や与野党は、彼の発言や行動を批判する数々の発言を行った。鳩山元首相に対する批判は、彼が、IAEA国際原子力機関のイランに関するアプローチを「二重の基準」だと非難したことに集中した。

 政府はまた、イランと国連安保理常任理事国にドイツを加えた6カ国の協議開催を前にしたこの時期の鳩山氏のイラン訪問は、イランのプロパガンダに利用され、国際的な外交分野における日本の立場を弱める可能性があると主張した。政府関係者が口をそろえて語ったのは、「鳩山氏の訪問は個人的な非公式のものであり、彼の発言は、日本の外交政策を反映するものではない」ということだった。
    「独走」続く鳩山外交
 
         2012年4月6日(金曜日)読売新聞朝刊4面

     鳩山元首相 イランへ向け出発
            
         2012年4月8日(日曜日)読売新聞朝刊2面

     「IAEA批判」 鳩山氏「捏造だ」

         2012年4月10日(火曜日)読売新聞朝刊2面

     鳩山氏イラン訪問「国益害した

         2012年4月10日(火曜日)読売新聞朝刊4面

大きな疑問、個人の非公式訪問にイラン側要人が対応するか? 
 国内外でよく知られた高い立場にある人物が、政府との調整もなく、非公式に他国を訪問し、その国の政府高官と会談を行うことができるだろうか?特に、鳩山元首相が民主党議員であり、党の最高顧問についていることから、イラン側は公的な色彩を持った訪問と受け止めたはずである。
 鳩山元首相の訪問の時期や、イラン訪問に関する発言を見ると、この行動の真の目的が分かる。鳩山元首相のイラン訪問は、イランと6カ国の重要な協議のちょうど1週間前に行われた。それは、協議に関する双方の提案や期待が高まり、イランと6カ国の協議に対する展望が、世界の専門家の憶測や議論のテーマになった時期である。
  鳩山元首相のイラン訪問の真の目的は、国連安保理の常任理事国とドイツを加えたイランの核開発阻止を目的とした協議の開催に先立って、イランの相手側である欧米各国政府のイランに対するメッセージを伝えると共に、イラン側の見解を探り、それを欧米各国に伝えることにあった。この度の鳩山元首相の唐突とも言えるイラン訪問は、有能な政治家ではないが“著名”な人物が、イラン核問題を仲介するために行ったものと見るのが妥当のようである。

 実際、鳩山元首相のイラン訪問は、個人的な非公式のものとはいえない。外交慣習や実施された会談を考えると、原則的に、非公式な訪問ではない。鳩山元首相がイランを訪問しアフマディネジャド大統領との会談では、日本の駐イラン特命全権大使が同席していた。特命全権大使とは、天皇の信任状を任国元首に奉呈し、正式に受け入れられた日本国家の代表である。本の大使が鳩山首相とイラン大統領の会談に同席していた以上、“個人的”とか“非公式”という表現は当てはまらない。大使が独断専行、大使の一存で会談に同席したということもありえない。野田首相や玄葉外務大臣が、会談に大使が立ち会うことを事前に承知していたか否か不明であるが、外務省官僚レベルで何らかの手配があったことを示している。
 野田首相は4月18日の衆参両院の予算委員会で、鳩山元首相の先のイラン訪問について鳩山氏から事前に相談があったことを明らかにした。訪問直前には電話で“自制を促した”という。”自制を促す”ため何かを話し合ったのだろう。野田首相や玄葉外務大臣が鳩山元首相のイラン訪問を裏で了解しつつも、諸般の事情・・・・欧米各国への配慮などから・・・・鳩山元首相を批判することにより真相を覆い隠したと観察される。
 首相官邸は大使が鳩山氏とイラン大統領の会談に同席することについて事前に伝えられていたのか、玄葉外務大臣は知らされていたのか。知らされていたら玄葉外相はそれを野田首相に伝えていたのか真相は不明であるが、イラン側は、鳩山元首相が公式な任務の枠内でイランを訪問したものとして対応している。       
       2012年4月14日(土曜日)読売新聞朝刊8面 

   英首相「日本とヘリ開発も」は表の理由・・・・。 

       2012年4月10日(火曜日)読売新聞朝刊1面

実は欧米の“使い”だった
 政府、特に外務官僚は、今回の一連の出来事において“成功を収めた”ようだ。それは、鳩山元首相のイラン訪問に関して欧米でほとんど取り上げられておらず、表立った批判が伝わってこない。国内のマスコミも、イランにおける鳩山元首相の動静の全体を報道せず、政府や与野党の鳩山元首相に対する批判を取り上げているに過ぎないからである。
 更に鳩山元首相の帰国を待つようにして、帰国の翌日に玄葉外務大臣がワシントンを訪問した。マスコミの報道によれば、玄葉外相は、この訪問で、アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、ロシアの外務大臣と会談し、イランをはじめとする国際問題について話し合いを行った。 

 玄葉大臣が会談を行った国々は、イランが協議を行う相手国と重なっており、それは、鳩山元首相が今回のイラン訪問で、表面の批判とは裏腹に、実際は6カ国の“使い”としての役割を果たした、ということを示している。

 なお、イランと、国連安保理常任理事国にドイツを加えた6カ国の包括的な協議は、4月14日(土曜日)、トルコのイスタンブールで、開催された。この中で双方は、来月、イラクのバグダッドで協議を継続することで合意した。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 政治の退廃の象徴 田中防衛... | トップ | 鳩山元首相 「 『IAEA二... »
最新の画像もっと見る

安全保障」カテゴリの最新記事