日本をふるいあがらせる軍事パレードの準備を開始
中国の習近平政権が、「反ファシスト戦争勝利記念日」と「抗日戦争勝利記念日」の9月3日に合わせ、軍事パレードを北京で行う方向で準備に入った。習政権発足後初の軍事パレードで、政権の求心力強化に利用すると同時に、歴史問題で安倍政権に圧力をかける狙いがある。
中共の機関紙「人民日報」は1月26日アプリに配信し、パレードは「日本を震え上がらせ、中国が戦後の世界秩序を守るという断固とした決意を世界に示す」のが目的の一つと指摘した。
また、「中国の軍装備の実力を世界に示す」ことで国際的に有利な地位を得る狙いや、「国民の誇りと国家安全に対する自信を高める」など国威発揚の意義も強調した。
「軍事パレードで日本を震え上がらせる」という人民日報の発言、中国共産党政権のファシズム的本質を自ら露呈したものだ。虚勢をはって相手を恫喝し力ずくで相手をねじ伏せる。それは彼らの論理のすべてだ。このようなヤクザ集団に「友好」という言葉が通じると思うのか。
中共にとって日本は、あくまでも軍事力をもって「震え上がらせるべき」対象なのである。それでも、国内には「中国からの脅威」を信じない人がいるのだ。
習近平、米国の要請を受けて9月訪米へ
習近平は2月11日、オバマ米大統領と電話会談し、米国側の招請を受けて、今年9月の国連創設70隼の記念活動出席に合わせ、米国を公式訪間すると伝えた。習近平の9月訪米には、主要な「戦勝国」としての立場を国際杜会に誇示する狙いがある。
中国は米国に対し「日本国が再び米国(と中国)の脅威となり、または世界の平和及び安全の脅威とならざらむことを確実にすること」を再確認させるのか、日米安保条約は“リンチピン”であること再確認するのだろうか。表に出る公式な見解とは別に、秘密裏にまたは暗黙裡にどの程度のやりとりが行われるか注目を要す。
強制連行問題は和解交渉を中止、”棘”として残す
戦時中に中国から強制連行されたとして日本企業2社を提訴している中国人元労働者ら原告団は11日、北京で記者会見し、被告のうち三菱マテリアル(旧三菱鉱業)との間で進めていた和解交渉を中止すると発表した。原告側弁護士は、裁判の員体的な期日について明らかにしなかったが、「3月上旬になる」と述べた。原告側は和解するつもりが有ったのかどうか。和解交渉を通して戦時中の中国からの強制連行をアピールした。今後は、“日本側をチクチク刺す棘として利用するため残したのであろう。
解放軍は対日戦の体制作りに余念がない
2014年8月13日の華人紙「半月文摘」の記事は、外国メディアの報道を伝える形で、中国・解放軍が渤海、黄海、東シナ海及び北部湾の4代海域において10個団300基の三世代航空機が参加したて陸海空立体的軍事演習を開始したこと、日本の軍備増強、東シナ海や南シナ海における米国の対中包囲網形成に対抗するため統合指揮司令部を設置したとの趣旨のようである。中国の対日強硬路線は、軍事力増強を背景に行われている事に変わりはない。言うことを聞かなければ、力を以てねじ伏せるということ、侵略的野心がむき出しである。
これに対してでは与党公明党は友党である中国共産党になり変って有事関連法制の整備を妨害、財界及びマスコミは「政冷経熱」「話し合い」「日中友好」など空疎な言葉を以て中国に臨んでいる。
平和ボケの日本、「憲法」を墨守
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」というが、中国、南北朝鮮、ロシアは「平和を愛する」国ではないし、いわんや「公正と信義を信頼」することができる国はない。にもかかわらず日本国民はこれらの国々を信頼して安全と生存を保持するいというのだ。
1945年8月15日、中国武装抗日勢力の全面的反抗で日本軍が降伏したと旨の「半月文摘」の記事。これから9月の対日軍事パレードこ頃までは愛国精神を振起する宣伝が激しくんなる。徐永昌に日本軍降伏文書提出、陸軍総指令応欽主将に岡村寧次将軍が降伏文書提出等の写真を14年間の艱苦卓絶の戦いを経て中国人民が戦争に勝利した時がやってきたとの記事を載せている。在日華人向けの記事。
中国は国内だけでなくで海外在留の華人に対しても愛国教育と日本との有事に際する華人動員体制の整備に余念がない。これにもかかわらず与党自民党には数千人の人間をひきつれて訪中する人物もいる。中共にとってこれほど業しやすいことはない。
抗日戦争は「持久戦」である
毛沢東は抗日戦の1938年5月抗日戦争勝利の戦略を「持久戦について」として論述し、抗日戦を「三つの段階」に区分して戦争勝利の戦略とした。毛沢東の『持久戦について』に書かれている日中間の戦力推移は、次のようなものである。
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持久戦の三つの段階
中日戦争が持久戦であり、最後の勝利もまた中国のものである以上、その持久戦が具体的には三つの段階としてあらわれることは、合理的に想定することができる。
第一の段階は、敵側の戦略的進攻、わが方の戦略的防御の時期である。
第二の段階は、敵側の戦絡的守勢、わが方の反攻準備の時期である。
第三の段階は、わが方の戦略約反攻、敵側の戦略的退却の時期である。
三つの段階の具体的状況については予測できないが、当面の条件からみて、戦争の趨勢の若干の大筋については指摘することができる。客観的現実の進行過程は非常に多様であり、曲折変化にとんだものであろうし、だれも中日戦争についての「運勢表」をあみだすことはできない。だが、戦争の趨勢についての輸郭を描いておくことは、戦略指導のために必要なことである。したがって、たとえ描かれたものが将来の事実に完全には合致せずに、事実によって修正されようとも、確固として、目的性をもって持久戦の戦略的指導をおこなう見地から、その輪郭を描いてみることは、やはり必要なことである。
(以下、第一から第三段階の様相説明の記述は省略)
三つの段階における漱とわが方の力の変化はつぎのような道をたどってすすむであろう。
第一段階では敵が優勢で、わが方が劣勢である。わが方のこうした劣勢については、抗戦の前からこの段階の終わりにいたるまでのあいだに、2つの異なった変化がおこることを見通しておかなければならない。
その1つは下向きの変化である。中国のもとからの劣勢は、第一段階の消耗をへていっそうひどくなるであろう。それは、土地、人口、経済力、軍事力および文化機関などの減少である。第一段階の終わりには、それらは、とりわけ経済の面では、かなり大きく減少するかもしれない。
しかし第2の変化、すなわち上向きの変化をもみなければならない。それは、戦争での経験、軍隊の進歩、政治の進歩、人民の動員、文化の新方向への発展、遊撃戦争の出現、国際的援助の増大などである。
第一段階で、下向きに変化するものは古い量と質であり、主として量のうえにあらわれる。上向きに変化するものは新しい量と質であり、主として質のうえにあらわれる。この第2の変化は、われわれに、持久ができ、最後の勝利がえられる根拠をあたえてくれるのである。
第一段階では、敵側にも2種類の変化がおこる。その一つは下向きの変化であり、それは数十万人の死傷、武器弾薬の消耗、士気の退廃、国内の人心の不満、貿易の減少、百億円以上の支出、国際世論の非難などの面にあらわれる。この面も、われわれに、持久ができ、最後の勝利がえられる根拠をあたえてくれる。
しかし、敵の第2の変化、すなわち上向きの変化をも見通しておかなければならない。それはかれらの領土、人口および資源の拡大である。この点からも、われわれの抗戦は速勝できず、持久戦であることの根拠がうまれてくるし、同時に、それがまた亡国論や妥協論の根拠として一部の人びとに利用されるであろう。
だが、われわれは、敵のこの上向きの変化の一時性と局都性とを見通さなければならない。敵は崩壊しようとしている帝国主義者であり、かれらが中国の土地を占領するのは一時的である。中国の遊撃戦争の猛烈な発展はかれらの占領区を、狭小な地帯に局限するであろう。
そのうえ、中国の土地にたいする敵の占領は、さらに日本と他の外国との矛盾をうみ、深めている。さらに、東北三省(注、旧満州)の経験によれば、日本にとっては、相当長いあいだ、一般的には資本投下の期間でしかありえず、収益をあげる時期ではない。これらのすべては、またわれわれが亡国論と妥協論を撃破し、持久論と最後勝利論を確立する根拠である。
第二の段階では、上述の双方の変化は発展をつづけるであろうし、その具体的状況については予測できないが、だいたいにおいて日本はひきつづき下向きになり、中国はひきつづき上向きになるであろう。たとえば、日本軍事力、財力が中国の遊撃戦争で大量に消耗され、国内の人心の不満はいっそうつのり、士気はますます退廃し、国際的にはますます孤立感をふかめる。
中国は、政治、軍事、文化および人民の動員の面でますます進歩し、遊撃戦争はますます発展し、経済の面でも、奥地の小規襖工業と広大な農業に依拠してある程度の新しい発展をとげ、国際的援助もしだいに増大し、現在の状況にくらべて大いにその面目を改めるであろう。
この第二の段階は、かなり長い期間を要するかもしれない。この期間には、敵とわが方の力の対比には巨大な逆の変化がおこり、中国はしだいに上昇してゆくが、日本はしだいに下降してゆく。そのとき中国は劣勢から脱し、日本は優勢を失い、まず均衡の状態に達して、それから優劣が、逆の状態にすすむであろう。それからは、中国はだいたいにおいて戦略的反攻の準備を終えて、反攻にうつり、敵を国土から駆逐する段階にすすむ。
くりかえして指摘すべきことは、劣勢を優勢に変え、反攻の準備を終えるということのなかには、中国自身の力の増大、日本の困難の増大、および国際的援助の増大ということがふくまれており、これらの力を総合すれば中国の優勢が形成され、反攻の準備が完成されるということである。
中国の政治と経済の不均等状態にもとづいて、第3段階の戦略的反攻は、その前期には全国が整然とした画一的な様相を呈するのではなくて、地域性をおびた、あちらこちらに起伏する様梢を挺するであろう。さまざまの分裂手段をとって中国の統一戦線を破壊しようとする敵のたくらみは、この段階では弱まらないであろうし、したがって、中国の内部の団結をかためる任務は重すます重要となり、内部の不和のために戦略的反攻が腰くだけにならないようにつとめるべきである。
この時期には、国際情勢は中国に大いに有利に変化するであろう。中国の任務は、このような国際情勢を利用して、自己の徹底的解放をかちとり、独立した民主主義国家を樹立することであり、同時にそれは世界の反ブァッショ運動を援助することでもある。
中国は劣勢から均衡に、それから優勢に達するが、日本は優勢から均衡に、それから劣勢にすすむ。中国は防御から対時に、それから反攻に達するが、日本は進攻から守勢に、それから退却に進む。これが中日戦争の過程であり、中日戦争の必然の趨勢である。
そこで問題と結論はつぎのとおりである。中国は滅びるであろうか。答、滅びない。最後の勝利は中国のものである。
中国は速勝できるだろうか。答、速勝できない。持久戦でなければならない。中国が劣勢から均衡に達するには、日本と同等の軍事力と経済力を持つ必要がある。均衡から優勢に達するには、日本を上回る軍事力と経済力を持つ必要がある。
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毛沢東の『持久戦について』は1938年、今から77年前に著されたものであるが、何やら昨今の日中間の政治的対立にも当てはまりそうな内容である。
ガリガリの毛沢東主義者と目されている習近平は、対日持久戦を展開しているのだろうか、『持久戦について』に照らし合わせてみると、最近の状況は、「第一の段階は、敵側の戦略的進攻、わが方の戦略的防御の時期である。」ではなく、「第二の段階は、敵側の戦絡的守勢、わが方の反攻準備の時期である。」の段階から「第三の段階は、わが方の戦略約反攻、敵側の戦略的退却の時期である。」に移行しつつあるように観察される。
中国が「均衡から優勢に達するには、日本を上回る軍事力と経済力を持つ必要がある」が、すでに軍事力と経済力は日本を上回り、日本一国を相手であれば勝利必死と認識しているのであろう。「日本を震え上がらせる」とは、やくざ的恫喝である。
中国をはじめ戦勝国が行う戦勝70年に関連する行事は、これら各国の対日戦略を窺う機会である。日本人は憲法前文がいう「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してわれらの安全と生存を保持すること」は不可能であること、「降伏後の初期の対日方針」が健在であることを悟ることになる。