無限の風

無限の風が日本の空を吹き渡る、時には激しく、厳しく、
又、時にはそっと、新鮮な香り、清々しい快感を運ぶ・・・

オカメインコ

2017-12-20 | Weblog

オカメインコ 

13年前のこと、巣から落ちたムクドリの子供を育てた。

雀の子と違って目が見える状態で落ちてきたムクドリの子は、人間から平気で餌を貰いよく食べ良く育った。

雀は目が見える状態で落ちれば、人間から絶対に餌を貰わない。                             無理やり口を開けて苦労して餌を食べさせることになるが、ほとんど育たない。

5月の中旬ごろ物置の屋根にあった巣からムクドリが落ちて来た。                                                                                                                                                    かわいそうだと思い育てることにした。さて餌はと?                                                                                                                 取りあえずヒエ、アワの皮の剥いた物を買って来て、お湯を注ぎすり潰して与えた。                                                                           割りばしを削ってその先に餌を付け、口先まで持っていくと、なんと本当に良く食べた。                 

育つにつれ試行錯誤をしながら、色々な餌を与えた。                                                ハエ、バッタなどの生きたものから金魚のエサもよく食べた。

数か月たち羽が生え飛べるようになると、これがまた良く慣れて外に出しても呼べば差し伸べた手に帰って来た。

家の中では、風呂場に行って戻り、行って戻りを繰り返し水浴びをさせろと催促をする。                                                                            洗面器にぬるま湯を入れ湯加減を見ると、手を入れるなと怒ってくちばしでつついて自分のものだと水? 浴びを始める。                                                                                 

或る時、台所の流しの中でちらちら様子を伺いながら何かをしていた。                                                 何をしているのだろうと見に行くとほうれん草を食べていた。                                                                      なんでも食べる奴だと感心した。                                                       

よく肩に乗せて公園に連れて行った。                                                                                                      驚くことに7~8センチもあるようなカマキリを捕まえて、どうするのかと見ていたら、                                                                                             くちばしに咥えさかんに振り回し柔らかくなったところで、縦にしてあっという間に飲み込んだ。                                                             本当に驚いた。                                                                                                  

思い出しても懐かしいことだらけ、蚊を手で叩いたのを差し出すとあのとがったくちばしでぺろっと食べ、手に小さな蚊の足が1本まだ残っているのを見せると、それもチョンとくちばしでつついて食べてしまう。

或る時は熱帯魚の水槽の上で・・しまったと思ったとき、あっという間にグッピーをつまんでペロリ。                  

よく慣れてほとんど籠に入れなくても安心して仲間だと思っていたが、                                                                                 半年ぐらいが過ぎた丁度今頃、なぜか窓の外をよく見るようになった。

そんなある日、外に出したらいつもと違う飛び方をし、上空を2,3回大きく周回して自然に帰って行った。

そんなことが有って、ある時ホームセンターに行ったら、オカメインコの子供が一匹いた。                                                        それを買って、ムクドリの時の様にヒエ、アワのエサを口に押し込んで育てた。

それから十二、三年が経った。こいつもよく育った。さすがにインコはよく喋る。                                                   (ムクドリもムクちゃんて呼んでいたらムクちゃんて喋った)                                                                             名前を呼べば返事をするから、犬や猫とはまた違った感覚かなと思う。