小雪のチラつく、2000年1月の下旬あなたと出会いました。
1999年11月生まれの男の子。
あなたは、みんなから離れて隅っこで震えていたね
夫は一目見るなり「このコにしよう」と即決した。
サークルもなにも準備をしていないのに、すぐ連れて帰るという。
数回分のドッグフードとトイレシーツ数枚
その日のうちに我が家へ迎えた。
片手に乗るほど小さなあなたは、車の中でも私の膝の上で震えていたね。
一晩中、眠らずスフィンクスのような格好でじっとしてる。
お水も飲まない、おしっこもしない。
大丈夫だろうか・・・
これまで小さな頃から何匹も犬と暮らしてきたけど
こんなに怯えて震える子犬は初めて。
それでも数日すると少しづつ慣れてきた。
だけど、小食でフードをほぼ食べない。
このコは長生きできないかもしれないと思ったよ。
「バーディ」って名前をつけた。
でも、実家に見せに連れて行くとお母ちゃんに
「トムがいい」と言われて名前が変更になったんだよね。
実は私も、トムの方が似合うかもと思ったんだ。
あなたはどちらが良かったかな?
1歳になってお兄さんぽくなった。
でも、このころ毎晩のようにお布団におしっこをわざとするようになったよね。
すぐにトイレを憶えて失敗知らずだったのに・・・
不思議な行動。なにか、思いがあったのかな。
あと、忘れられないのが台所でキャベツを切ってると足元にお座りして
見上げていたね、あなたの口元が本当に可愛くて
そのちいさなお口でキャベツをくわえて走っていたね。
私が仕事に行くときも鳴いたりせずに大人しく留守番ができて、
本当に良いコだったね
でも、それに甘えて留守番ばかりで
本当は寂しかったよね・・・
残業で真っ暗な部屋で待たせてしまったときには
いつもはベッドで寝ているのに
玄関でお座りしてたよね、ごめんね・・・
腕枕が大好きで、夫と私の腕を行ったり来たり。
でも、朝は必ず私のふとんの中にいたね。
あなたが私の腕の中でスヤスヤと眠っているのをみると
幸せな気持ちになったよ。
お座りと待て、それからお手はおかわりとセットで出してしまう。
他には何もできないけど、それだけで充分だったよ、
だって存在するだけで可愛いのだから。
私がパソコンしてると後ろからワンワン吠えたね
「もう、やめてかまって。」というように
それでもやめないと諦めて
私のお尻に背中を少しだけくっつけて丸くなって眠ったね。
散歩がダイキライで、
「散歩に行こう」っていうと
家具の後ろに隠れてしまったよね。
だけど桜の季節には一緒に見たくて
抱っこして公園に行ったね、ブルブル震えて、
それでも、春の風を鼻でクンクンしていたね。
食べないわりに病気もせず健康だったのに、
10歳を過ぎてアトピー性皮膚炎になってしまった。
痒いからステロイドを服用するようになって
フワフワの毛が少なくなってしまって冬は寒かったね。
週一回のシャンプーも怖いし、エリザベスカラーは
煩わしくて可哀そうだった。
眠ることが多くなったトム、毛も白くなったね。
13歳、いつの間にか私より年上
おじいちゃんになっちゃったね。
お母ちゃんの介護が始まって家を空けることが多くなった。
毎日、帰ってきたときにあなたにちゃんと会えるか心配で不安で・・・
あなたは、目も見えなくなってあちらこちらにぶつかって
恐くて不安だったよね・・・
段々、夜も寝なくなって遠吠えをして一日中グルグル回って、
疲れ果てるまでそれを繰り返した。
一晩中、鳴くあなたを私はただ抱きしめてあげることしかできなかった。
8月の終わり、小さな咳をしたね。
私はどうしてもそれが気になってあなたのキライな病院へ連れて行った
そしたら心臓が悪いです。って・・・言われたんだ
でも、治してあげることはできなくて・・・
少しでも食べてくれると嬉しくて一日でも長く生きていて欲しいと願った。
毎日が本当に祈るような気持ちだった。
その日は突然訪れた。
早朝から呼吸が荒くて病院へ連れて行こうかと悩んだけど
移動もストレスになるから・・・だから覚悟を決めた。
多分、もう数時間しか残されていない・・・
一緒にいようね、大丈夫、ずっと傍にいるよ。
最期はフラフラと私のパソコンの前に行って倒れた
そこに私がいると思ったの・・・?
そんな駆け足でいかないでよトム・・・
まだまだ一緒にいてよ・・・
私が死ぬまで生きてよ・・・
お願いだから・・・いかないで・・・いかないで・・・
2014年10月16日午前10時すぎ
14歳と11か月と13日。あと二週間で15歳だった。
そして・・・この日は私の誕生日だった。
あなたと暮らした日々はかけがえのない毎日でした。
大好きだよ、トム。うちのコになってくれて有難う
憶えているよ、あなたのことはすべて
憶えているよ、愛しいトム・・・
あの日から今日で8年。
今も、何一つ色褪せることなくトムは私の中にいます。
これからもずっと。
今日のブログは、過去そして最近大切な家族を失った方にとって
思い出し重なり、辛いものとなった思います。
ただ、私は唯一無二の大切な存在と出会ったこと暮らしたことを
記したいと思いました。お許しください。