昨年インボイスの登録をして消費税の課税事業者となった個人事業者が、初めて消費税の確定申告をする時期になりました。はたして申告できるのでしょうか。
◆所得税と消費税はまったく違う税金(申告書も納付書も別)
事業所得者に課税される所得税は、収入(売上)から必要経費を差し引いた事業所得が基準となります。一方、消費税の課税事業者が税務署に納める消費税は、事業者が商品販売やサービス提供に際して受け取った消費税から仕入や諸経費に関して支払った消費税を差し引いた額です。
このように所得税と消費税はまったく違う税金です。ですから、申告書の作成と提出、そして納税も別々に行います。
◆自主申告であることは所得税同様
消費税の納税義務がある事業者は自ら申告と納税をしなければなりません。「税務署からの連絡がなかった」「連絡に気がつかなかった」が通用しないのは所得税同様です。
◆消費税の申告も暦年単位で行う
所得税も消費税も税額の計算を暦年単位で行い申告と納税をします。所得税の申告期限は申告対象年度の翌年3月15日、消費税は3月31日です。納税もこの期限までにしなければなりません(ただし、いわゆる振替納税の場合は4月下旬に預金口座から引き落とされます)。
◆今回の申告対象は令和5年10月1日以降の売上(昨年インボイスの登録をして消費税の課税事業者となった場合)
昨年インボイスの登録をして消費税の課税事業者となった個人事業者の場合、令和5年の消費税の申告において対象となる売上はインボイス制度が導入される10月1日以降の売上です。受け取った消費税は10月以降の売上合計に基づいて計算し、支払った消費税も10月以降の仕入や諸経費に基づいて計算します。
◆原則課税と簡易課税?
このどちらを選択するかが消費税の難しいこところです。どちらにするかによって有利不利があります。税務署に納付する消費税が異なってくるのです。また、簡易課税を選択するには事前の届けが必要で、届けがない場合は原則課税になります。
◆2割特例?
原則課税と簡易課税だけでもややこしいのに「2割特例」とうい申告方式があります。受け取った消費税の2割を税務署に納付すればよいという特例です。2割特例は申告時に選択可能ですので、原則課税あるいは簡易課税よりも有利であれば選択できるという点においては融通が利きます。
◆消費税に関する専門用語の難解さ
所得税の確定申告を税理士には依頼せず自身で行っている個人事業者は多いです。そのような個人事業者は、申告書の用紙を見て「これならばなんとか自分で書けそうだから」と感じたからです。
しかし、消費税はそうはいきません。消費税の申告書は「一般常識」「勘と経験」「ひらめき」では理解できない専門用語ばかりです。おそらく、申告書を見ただけでは手も足も出ないと思います。
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★税務署が混乱すること必至!?
消費税の申告書は大変「とっつきにくい」ことから、これからの確定申告の時期、税務署は消費税の申告書の書き方をたずねに来た個人事業者で混乱することが予想されます。また、申告書が書けず放置したままの事業者、申告が必要なことに気がつかなかった事業者が現れることも予想されるので、税務署はその対応にも追われることでしょう。
インボイス制度が軌道に乗るまで、行政上の負担(コスト)も相当なものになります。当然、それを負担するのは国民です。
【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。
◆所得税と消費税はまったく違う税金(申告書も納付書も別)
事業所得者に課税される所得税は、収入(売上)から必要経費を差し引いた事業所得が基準となります。一方、消費税の課税事業者が税務署に納める消費税は、事業者が商品販売やサービス提供に際して受け取った消費税から仕入や諸経費に関して支払った消費税を差し引いた額です。
このように所得税と消費税はまったく違う税金です。ですから、申告書の作成と提出、そして納税も別々に行います。
◆自主申告であることは所得税同様
消費税の納税義務がある事業者は自ら申告と納税をしなければなりません。「税務署からの連絡がなかった」「連絡に気がつかなかった」が通用しないのは所得税同様です。
◆消費税の申告も暦年単位で行う
所得税も消費税も税額の計算を暦年単位で行い申告と納税をします。所得税の申告期限は申告対象年度の翌年3月15日、消費税は3月31日です。納税もこの期限までにしなければなりません(ただし、いわゆる振替納税の場合は4月下旬に預金口座から引き落とされます)。
◆今回の申告対象は令和5年10月1日以降の売上(昨年インボイスの登録をして消費税の課税事業者となった場合)
昨年インボイスの登録をして消費税の課税事業者となった個人事業者の場合、令和5年の消費税の申告において対象となる売上はインボイス制度が導入される10月1日以降の売上です。受け取った消費税は10月以降の売上合計に基づいて計算し、支払った消費税も10月以降の仕入や諸経費に基づいて計算します。
◆原則課税と簡易課税?
このどちらを選択するかが消費税の難しいこところです。どちらにするかによって有利不利があります。税務署に納付する消費税が異なってくるのです。また、簡易課税を選択するには事前の届けが必要で、届けがない場合は原則課税になります。
◆2割特例?
原則課税と簡易課税だけでもややこしいのに「2割特例」とうい申告方式があります。受け取った消費税の2割を税務署に納付すればよいという特例です。2割特例は申告時に選択可能ですので、原則課税あるいは簡易課税よりも有利であれば選択できるという点においては融通が利きます。
◆消費税に関する専門用語の難解さ
所得税の確定申告を税理士には依頼せず自身で行っている個人事業者は多いです。そのような個人事業者は、申告書の用紙を見て「これならばなんとか自分で書けそうだから」と感じたからです。
しかし、消費税はそうはいきません。消費税の申告書は「一般常識」「勘と経験」「ひらめき」では理解できない専門用語ばかりです。おそらく、申告書を見ただけでは手も足も出ないと思います。
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★税務署が混乱すること必至!?
消費税の申告書は大変「とっつきにくい」ことから、これからの確定申告の時期、税務署は消費税の申告書の書き方をたずねに来た個人事業者で混乱することが予想されます。また、申告書が書けず放置したままの事業者、申告が必要なことに気がつかなかった事業者が現れることも予想されるので、税務署はその対応にも追われることでしょう。
インボイス制度が軌道に乗るまで、行政上の負担(コスト)も相当なものになります。当然、それを負担するのは国民です。
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