インボイス制度がはじまった今、事業者を悩ませているのは消費税額が記載されているのに登録番号が記載されていない請求書や領収書の扱いです。
◆困りますよ!
請求書や領収書を受け取ったならば、直ちに指摘してください。遠慮する必要はありません。
ほとんどの事業者がここ1年ほどの間、インボイス制度に対する知識を吸収し、インボイス登録をして、請求書や領収書のフォームを改め、導入後の事務体制を整えてきました。そんな中、消費税は記載されているのに登録番号が記載されていない請求書や領収書を発行するなんて、「ふざけている」としかいいようがりません。また、知らなかったではすまされません。「無知にも程が」あります。
◆相手がインボイス登録をしている場合
登録番号を追加記入してもらうか、登録番号が記載された新たな請求書や領収書を発行してもらってください。
◆消費税相当額を支払うべきか(相手が登録していない場合)
これがインボイス制度の一番難しいところです。
インボイス制度が導入されてから初めて取引をする相手先あれば、「インボイスの登録をしていないのに消費税を請求(記載)されては困ります!」といえます。
問題は取引年数が長い相手先や経営上取引を継続するしかない相手先です。この場合はどれだけの消費税であれば負担していいか、つまり「仕入税額控除」ができなくてもかまわないかが判断の基準になります。
税務署に納付する消費税は、販売の際に受け取った消費税から仕入や諸経費に関して支払った消費税を差し引いた額です。この支払った消費税を差し引くことを仕入税額控除といいます。インボイス登録をしていない相手先に「消費税相当額」を支払っても仕入税額控除はできませんのでその分の負担が増えるということです。
◆仕入税額控除に関する経過措置
インボイス登録をしていない相手先に支払った消費税相当額の仕入税額控除の扱いについては経過措置があって、制度導入後3年間は80%、次の3年間は50%の仕入税額控除ができます。相手先もこのことを知っているでしょうから、この経過措置に合わせて支払う消費税相当額を順次減らしていくというのも一法です。
◆簡易課税や2割特例で申告している場合
簡易課税や2割特例で消費税の申告をしている場合は仕入税額控除をするためにインボイスは不要です。なぜならば、仕入税額控除を計算するにあたって、支払いの際に入手したインボイスを基に計算するのではなく、販売の際に受け取った消費税に対する「みなし計算」をするからです。
しかし、この場合であってもインボイスは入手しておく必要があります。簡易課税や2割特例も、原則的な仕入税額控除の計算と比較して有利であれば選択するものですので、インボイスに基づく計原則的な計算もしておかなければ有利不利の判定はできません。
========
★インボイス登録をしていない事業者は消費税を請求できない?
法律上はインボイス登録をしていない事業者が消費税を請求しても違反ではありません。しかし、インボイス制度開始から歳月が経てば「ビジネスのルール(慣習、マナー)」として認められなくなることは確実です。ですから、遠慮せずに指摘してください。「困るじゃないですか!」と。それがインボイス制度を有効に運用のためにも必要なのです。「正義!」なのです。
★令和5(2023)年10月分の請求書
11月になったら10月分の請求書を発行したり受け取ったりします。発行する請求書については「何を言われるかわからない」と覚悟しておかなければなりません。受け取る請求書には「想定外の」ものもあるでしょう。インボイス制度の大変さや恐ろしさが身に染みるのはこれからです。「次の選挙は!」、もう手遅れです。
【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。
◆困りますよ!
請求書や領収書を受け取ったならば、直ちに指摘してください。遠慮する必要はありません。
ほとんどの事業者がここ1年ほどの間、インボイス制度に対する知識を吸収し、インボイス登録をして、請求書や領収書のフォームを改め、導入後の事務体制を整えてきました。そんな中、消費税は記載されているのに登録番号が記載されていない請求書や領収書を発行するなんて、「ふざけている」としかいいようがりません。また、知らなかったではすまされません。「無知にも程が」あります。
◆相手がインボイス登録をしている場合
登録番号を追加記入してもらうか、登録番号が記載された新たな請求書や領収書を発行してもらってください。
◆消費税相当額を支払うべきか(相手が登録していない場合)
これがインボイス制度の一番難しいところです。
インボイス制度が導入されてから初めて取引をする相手先あれば、「インボイスの登録をしていないのに消費税を請求(記載)されては困ります!」といえます。
問題は取引年数が長い相手先や経営上取引を継続するしかない相手先です。この場合はどれだけの消費税であれば負担していいか、つまり「仕入税額控除」ができなくてもかまわないかが判断の基準になります。
税務署に納付する消費税は、販売の際に受け取った消費税から仕入や諸経費に関して支払った消費税を差し引いた額です。この支払った消費税を差し引くことを仕入税額控除といいます。インボイス登録をしていない相手先に「消費税相当額」を支払っても仕入税額控除はできませんのでその分の負担が増えるということです。
◆仕入税額控除に関する経過措置
インボイス登録をしていない相手先に支払った消費税相当額の仕入税額控除の扱いについては経過措置があって、制度導入後3年間は80%、次の3年間は50%の仕入税額控除ができます。相手先もこのことを知っているでしょうから、この経過措置に合わせて支払う消費税相当額を順次減らしていくというのも一法です。
◆簡易課税や2割特例で申告している場合
簡易課税や2割特例で消費税の申告をしている場合は仕入税額控除をするためにインボイスは不要です。なぜならば、仕入税額控除を計算するにあたって、支払いの際に入手したインボイスを基に計算するのではなく、販売の際に受け取った消費税に対する「みなし計算」をするからです。
しかし、この場合であってもインボイスは入手しておく必要があります。簡易課税や2割特例も、原則的な仕入税額控除の計算と比較して有利であれば選択するものですので、インボイスに基づく計原則的な計算もしておかなければ有利不利の判定はできません。
========
★インボイス登録をしていない事業者は消費税を請求できない?
法律上はインボイス登録をしていない事業者が消費税を請求しても違反ではありません。しかし、インボイス制度開始から歳月が経てば「ビジネスのルール(慣習、マナー)」として認められなくなることは確実です。ですから、遠慮せずに指摘してください。「困るじゃないですか!」と。それがインボイス制度を有効に運用のためにも必要なのです。「正義!」なのです。
★令和5(2023)年10月分の請求書
11月になったら10月分の請求書を発行したり受け取ったりします。発行する請求書については「何を言われるかわからない」と覚悟しておかなければなりません。受け取る請求書には「想定外の」ものもあるでしょう。インボイス制度の大変さや恐ろしさが身に染みるのはこれからです。「次の選挙は!」、もう手遅れです。
【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。