【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

軽減税率制度とは?

2019-10-12 10:30:00 | 消費税
とうとう消費税の軽減税率が始まってしまいました。

ある税目に複数の税率が設けられているのは決して珍しいことではありません。むしろ、それが普通です。例えば、国民になじみのある所得税や相続・贈与税がそうです。

消費税は、広く消費一般(物を買う、サービスを受ける)に課税される税ですので、その課税対象は無限といっても過言でもありません。さらに、消費税の対象となる物やサービスは日々変化と増加を続けていますので、これを正確に認識して課税関係を明確にすることは容易ではありません。

ともあれ、法律で決まってしまったのですから、国民はこれに従うしかありません。少なくとも次の選挙までは(笑)。

◆事業者(納税者)と軽減税率→「飲食料品」を扱う事業者は大変です!

事業者は販売の際に「受け取った消費税」から仕入や経費を支払う際に「支払った消費税」を差し引いてそれを税務署に納めなければなりません。事業者は販売に際しては、自ら消費税を計算してそれを販売代金に上乗せします。

この販売代金に上乗せする消費税の税率が複数になったのですから大変です。「飲食料品」といってしまえば簡単ですが、飲食料品を扱っている事業者の取扱商品のすべてがこれに該当するわけではありません。「区分け」が必要となります。

仕入の際の税率も複数になります。仕入先の請求書の税率に盲従するすることもできませんので、自らの判断力を養わなければなりません。また、税額を税率に分けて集計するという作業が大変です。

大変です!

大手はともかくとして、中小零細は大変です。この複雑な税制に付いていけず、これを機に廃業するところもあるでしょう。考えただけで恐ろしいです。これからは「大廃業時代」が到来するといわれていますが、その引き金が消費税かもしれません。

飲食料品を販売していない事業者も無関係ではありません。残業する社員に支給する夜食代金(例えばコンビニで購入した弁当)は軽減税率です。また、どういうわけか新聞代も軽減税率です。「受け取った消費税」はともかくとして、「支払った消費税」については多くの事業者に軽減税率が影響します。

嫌ですね!!

【参考】国税庁サイト・軽減税率制度とは(リーフレット等
まずは、下記をお読みください。
令和元年10月1日から消費税の軽減税率制度が実施されます(チラシ)(令和元年6月)
よくわかる消費税軽減税率制度(令和元年7月)(パンフレット)(PDF/4,2MB)

軽減コールセンター(消費税軽減税率電話相談センター)

◆国民(税の負担者)と軽減税率

国民は消費税の負担者であって納税者ではありません。国民は生活するための物やサービスを業者から購入する際に、業者から販売代金に上乗せして提示された消費税を販売代金と一緒に支払います。それを税務署に納税するのは事業者です。

軽減税率が導入された今、すべての国民は消費税に関する正しい知識を持たなければなりません。すべての事業者が軽減税率についての正しい対応ができるとは限らないからです。「ポイント還元」に騙されてはいけません!

政府広報オンライン

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藤井 聡
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