和歌山の田舎で都会に飛びだした作家がいたけれども、・・・ 2016-06-18 08:58:33 | 小説 和歌山の田舎で都会に飛びだした作家がいたけれども、やはり彼も、都会と田舎のハーモニーを夢みたかも知れない。『考えすぎやろうか』 「私の及ばん世界にいってるみたいな部分が啓さんにはありはる。いつも、リンクの中でいっつも注目してました」 (「南幻想曲」つづく)
和子が目を上に向かって丸くしていて、妹のようにも・・・ 2016-06-11 20:36:38 | 小説 和子が目を上に向かって丸くしていて、妹のようにも思われるから、啓は人の列をつくる歩道の日だまりで抱き佇むことが出来ているのだ。例えばひょっこりふるさとの知り合いに出会わないとはかぎらない。その弁明とか考える余裕もまだない。あのリングでゆれたセーターの乳房を啓は思い浮かべた。急いで、「和子さんに似合う曲やから、きっと御堂筋にもふさわしい曲や思う」 (「南幻想曲」つづく)
その通りだろう。<ふしぎの森のイメージ>はリアルで動きを誘う曲だ。・・・ 2016-06-04 06:21:09 | 小説 その通りだろう。<ふしぎの森のイメージ>はリアルで動きを誘う曲だ。内容的には都会と田舎のハーモニーか、とにかく御堂筋に似合うのだ。『さっきからぼくかて思うてた。和子さんはやっぱし鋭いんやね。驚いたなあ・・・・・・』 (「南幻想曲」つづく)
御堂筋に佇んでは曲に乗って滑る和子を脳裏によぎらせると、・・・ 2016-05-29 22:52:05 | 小説 御堂筋に佇んでは曲に乗って滑る和子を脳裏によぎらせると、啓はあの時は美しい少女のようだったコートの肩に、ジーンズの腕を回した。突飛に耳を疑う声が聞こえている。「ルウレレルンルウルウ。あの曲、<ふしぎの森のイメージ>何か御堂筋に似合いそう」 (「南幻想曲」つづく)
啓はもう調子づいて、あの曲の続いている錯覚に任せながら・・・ 2016-05-21 07:37:06 | 小説 啓はもう調子づいて、あの曲の続いている錯覚に任せながら、「きっと春には御堂筋で和子さんに、げんげの花冠を贈ろう」と無邪気にも口走った。だが和子はげんげの花冠よりはどうやら初めて呼ばれた名の方に、感激していた。なぜならそのすぐ後、和子はこだわりがない調子で、「げんげ、て何の花?」と言うものだった。 (「南幻想曲」つづく)