和子は目も鼻も丸味のある鼻筋にシワを小さく寄せて、理解が及ばない証しのような表情でいる。
「そうかなあ。私にはうるさい母も父も家に持つからかしら。わからないけどう。スケートは楽しければええと思うわ。御堂筋にも楽しくなくてはこないもん。違う?」
「確かにそうや。音感は和子さんに勝てそうにもないから。それはそうかも知れないなあ」
(「南幻想曲」つづく)
「そうかなあ。私にはうるさい母も父も家に持つからかしら。わからないけどう。スケートは楽しければええと思うわ。御堂筋にも楽しくなくてはこないもん。違う?」
「確かにそうや。音感は和子さんに勝てそうにもないから。それはそうかも知れないなあ」
(「南幻想曲」つづく)