50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

和子は目も鼻も丸味のある鼻筋にシワを小さく寄せて、・・・

2016-06-26 14:03:25 | 小説
和子は目も鼻も丸味のある鼻筋にシワを小さく寄せて、理解が及ばない証しのような表情でいる。
「そうかなあ。私にはうるさい母も父も家に持つからかしら。わからないけどう。スケートは楽しければええと思うわ。御堂筋にも楽しくなくてはこないもん。違う?」
「確かにそうや。音感は和子さんに勝てそうにもないから。それはそうかも知れないなあ」

(「南幻想曲」つづく)

和子は案外まじめな二十歳。とにかく今日という日を・・・

2016-06-19 08:49:52 | 小説
和子は案外まじめな二十歳。とにかく今日という日を大事にしたいものだ。『その通りや』
「感激、というよりは光栄やな。けども、<ふしぎの森のイメージ>和子さんのイメージに、ぼくはちょっとつけ加えたい。ぼくにとってあの曲は百パーセントの楽しさには違いないのだが、アパートに帰って眠る時なんかに思い浮かべるとすると、寂しがらせる曲のようにも思う」

(「南幻想曲」つづく)

和歌山の田舎で都会に飛びだした作家がいたけれども、・・・

2016-06-18 08:58:33 | 小説
和歌山の田舎で都会に飛びだした作家がいたけれども、やはり彼も、都会と田舎のハーモニーを夢みたかも知れない。『考えすぎやろうか』
「私の及ばん世界にいってるみたいな部分が啓さんにはありはる。いつも、リンクの中でいっつも注目してました」

(「南幻想曲」つづく)

和子が目を上に向かって丸くしていて、妹のようにも・・・

2016-06-11 20:36:38 | 小説
和子が目を上に向かって丸くしていて、妹のようにも思われるから、啓は人の列をつくる歩道の日だまりで抱き佇むことが出来ているのだ。例えばひょっこりふるさとの知り合いに出会わないとはかぎらない。その弁明とか考える余裕もまだない。あのリングでゆれたセーターの乳房を啓は思い浮かべた。急いで、「和子さんに似合う曲やから、きっと御堂筋にもふさわしい曲や思う」

(「南幻想曲」つづく)

その通りだろう。<ふしぎの森のイメージ>はリアルで動きを誘う曲だ。・・・

2016-06-04 06:21:09 | 小説
その通りだろう。<ふしぎの森のイメージ>はリアルで動きを誘う曲だ。内容的には都会と田舎のハーモニーか、とにかく御堂筋に似合うのだ。『さっきからぼくかて思うてた。和子さんはやっぱし鋭いんやね。驚いたなあ・・・・・・』

(「南幻想曲」つづく)