彼、伝言板を頭の中に残すことはない。・・・ 2015-08-29 19:12:57 | 小説 彼、伝言板を頭の中に残すことはない。路上にでた時に、幸男は自分に言い訊かせた。 「理恵さんを裏切るようなことは、絶対にダメだ」 (つづく)
狭い宇礼市のこと、なかよく別れなくては・・・ 2015-08-27 20:13:28 | 小説 狭い宇礼市のこと、なかよく別れなくては始まらない。そう自明のことにしながら幸男は、喫茶アンニュイをでていくのだった。 「ありがとうございました!」 (つづく)
舌打ちを小さく耳に入れた。・・・ 2015-08-26 14:47:33 | 小説 舌打ちを小さく耳に入れた。幸男はさっさと切りあげるにかぎると思い、ふりかえらないようにして席を立った。昔とそっくり・・・・・・。 「じゃあまたな」 と伝言板。あっさりしているそれはそうだろう。 (つづく)
だんだんつけあがる伝言板には、幸男は・・・ 2015-08-22 19:27:42 | 小説 だんだんつけあがる伝言板には、幸男はさして頭になかたのだ。未知と既知の差を言う、その風な心地は微妙にあったが。もういたたまれなくて。 (つづく)
そう言ってまたタバコに火をつけ、幸男が・・・ 2015-08-20 20:43:04 | 小説 そう言ってまたタバコに火をつけ、幸男がまじめに聞いていると思ってか、どうか、 「喫茶店に望月も退屈まぎれにきたんだろう、つまり。それとも、道江さんと、望月にかぎってそれはないか。だとすると独身時代がなつかしくなった、そしてばったり気楽なぼくとであった、気晴らしにはなるでしょう。時にはアバンチュール、どうだ、望月」 と彼が斜めにかまえて言った。 (つづく)