先週観に行ってたいそうツボじゃったのに、書きそびれていた展覧会でございます。
太田記念美術館「小原古邨」
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/exhibition/ohara-koson
昨年、茅ヶ崎市美術館で開催された「小原古邨展」、非常に気になったのじゃが、家から遠くて躊躇するうち終わってしもうたのじゃ。
今回は太田記念美術館ゆえ、前期も後期も観る気満々だったのが、いつの間にやら前期が終わっており、慌てて後期を観に行ったのでございます。
木版画、肉筆の下絵など、前・後期合わせて150点の展示。
生き物、特に大好きな鳥の作品が多いのもツボじゃし、古邨も、彫師や摺師の仕事も素晴らしいですのぅ。
前期と後期で全ての作品が入れ替わるゆえ、前期を観逃したのが本当に悔やまれまする。
構成は以下の2章じゃが、細かく分けられておりまする。
お気に入り作品の一部も、観た順に。
まずは1階の第1展示室。
最初に、靴を脱いであがる畳の場所の展示ケースに6点。
いずれも鳥が描かれており、一見鳥がいなさそうな《寺院》にも、ちっこい鳥が数羽おるのじゃ。
《月に木菟》版元・秋山武右衛門
同じ題の作品は、前・後期合わせて5点ございます。
この作品は、まるっとした木菟があまりに可愛くて卒倒しそうになったぞよ。
購入した絵はがきのお写真じゃ。
《公孫樹に鳩》版元・秋山武右衛門
公孫樹の枝に2羽。1羽は真っ白の鳩、もう1羽は普通のグレーの鳩の対比も綺麗。
【第1章 明治期の古邨】
[花樹と鳥]
《酸実に緋連雀》版元・松木平吉
つがいの緋連雀。正面顔が可愛いのぅ。
横向きの1羽の冠羽に、亡くなったオカメ先輩を思い出しうるうる。
《柿に目白・山吹に雀・芥子》
大三つ切版で未裁断。中央の雀の親子、親に餌(虫)をねだる雀の雛の様子がまことに愛らしい。
[月下の鳥]
《月に木菟》
画稿と版画(版元・松木平吉)を並べて展示。
絵はがきの写真を載せた《月に木菟》と違い、こちらは横向きの木菟。
古邨は、絹本に肉筆で画稿を描き、それを湿板写真で撮影したものを版下絵にしたらしい。
画稿と版画は、満月の部分にかなりの違いが。
[雨に濡れる鳥]
《雨中の小鷺》版元・松木平吉
無数の雨の線が極細じゃ。
《雨中の雀》版元・松木平吉
雨の中で寄り添う雀が、古い映画のワンシーンのよう。
あ、雀が人間だったらの話じゃがの。
ここから先は、2階の第2展示室じゃ。
[鳥の家族・つがい]
《ひよこ》版元・松木平吉
ミミズを取り合う5羽のひよこ、可愛いとしか言葉がありませぬ。
[雪景色の中の鳥]
[水辺の鳥]
[鳥百姿]
[水の生き物]
[動物]
《月に兎》版元・松木平吉
雲のかかった満月を、立ち上がってじっと眺めるタレ目の白兎。
[風景]
[肉筆画稿]
《葡萄に山雀》
絹本に描かれた画稿。美味しそうな紫の葡萄の枝に、可愛いヤマガラ。
【第2章 大正・昭和期の古邨】
渡邊庄三郎が経営する渡邊版画店の元で「新版画」として花鳥画を制作。
色彩もたいそう素敵でございます。
[鳥]
《雪中群鷺》版元・渡邊庄三郎
グレーからブルーの美しいグラデーションを背景に、5羽の白鷺。
絵はがき買おうと思うたら、品切れじゃった。
《月夜の烏》版元・渡邊庄三郎
ハッと目を引く鮮やかな水色の空、下方に浮かぶ白い月、真っ黒な烏2羽。
《桜に木菟》版元・渡邊庄三郎
最初に絵はがきの写真を載せた《月に木菟》とそっくりな構図じゃが、木菟の顔の向きやら月の位置やら桜の枝振りやら微妙に違いまする。
《芦に鷺》
画稿と版画(版元・渡邊庄三郎)を並べて展示。
版画になると、背景が美しい水色に。
《雪中南天に瑠璃》
画稿と試摺と版画(版元・渡邊庄三郎)を並べて展示。
茶色の鳥が、版画になると鮮やかな瑠璃色になり、たいそう映えまする。
[季節の情景]
《柘榴に鸚鵡》版元・渡邊庄三郎
真っ黒の背景、真っ白のオウム、真っ赤な石榴、色の対比も綺麗。
羽根の空摺りも綺麗じゃ。
[祥邨落款の作品]
古邨は昭和前期、祥邨落款の作品を20点弱残しておるそうな。
《猫と提灯》版元・酒井好古堂・川口商会
床にひっくりかえった提灯。逃げようとするネズミを押さえる猫。
小林清親の《猫と提灯》を思い浮かべたぞよ。
たいそう好みな展覧会で、1階と2階を何度も往復して観たのでございます。
ただ、作品リストは展示順ではなく図録の順番じゃが、作品にもリストにも番号が振られておらぬゆえ、メモを取るのに不便だったのがちと残念じゃったがの。
会期は3月24日まで。ご興味ある方はぜひ。
観終わって、近場のカフェでひと休みしようと思うも、平日だというのにどこも混み混み。
で、渋谷までブラブラ歩き、久々にÅre(オーレ)へ。
プリンアラモードを持ってまいれ~!
昭和レトロなプリンアラモード、前回乗っていたメロンがイチゴになっておりまする。
プリンは甘さ控え目じゃが、しっかりした食感が嬉しいのじゃ。
★おまけ画像
初潜入のジンジャーグラスで、お洒落タイ料理満喫♪