前回のブログの続きでございます。
GALLERYリトルハイへ行く前に、Bunkamura ザ・ミュージアム「マリー・ローランサンとモード」を観ましたのじゃ。
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/23_laurencin/
(指定された作品のみ写真撮影可。本日3月26日まで撮影可能エリア追加)
1883年生まれのふたり、マリー・ローランサンとココ・シャネルに焦点を当て、約90点が展示されておりまする。
構成は以下の通り。写真撮影可の作品や、気になった作品もリスト順に。
(マリー・ローランサンの作品は、作家名を省略して書きまする)
【第1章:狂騒の時代(レザネ・フォル)のパリ】
★ローランサンとパリ社交界の女性たち
5点のうち2点が写真撮影可じゃった。
・《わたしの肖像》1924年
パリ社交界で人気の肖像作家となった頃の、41歳の自画像じゃ。
・《マドモアゼル・シャネルの肖像》1923年
肖像画を依頼したシャネルは、この作品の出来が気に入らず描き直しを要求するも、ローランサンが譲歩しなかった為、本作を受け取る事はなかったそうな。
素敵な作品なのにのぅ。わんこや鳥も可愛いし(←そういう問題じゃないw)
★エティエンヌ・ド・ボーモン伯爵の舞踏会
・《エティエンヌ・ド・ボーモン伯爵夫人の空想的肖像》1928年
ボーモン伯爵夫妻のパリの邸宅で、玄関ホールのバルコニーに飾られていたという大きな作品。
★シャネルを身にまとう社交界の女性たち
・マン・レイ《シャネルの服を着た社交界の女性たち》
8分の映像、ファッションが興味深うござります。
【第2章:越境するアート】
★ローランサンとバレエ・リュス「牡鹿」
・《牝鹿と二人の女》1923年
振り向く牡鹿の背にもたれるようにバレリーナが2人。
・《優雅な舞踏会あるいは田舎での舞踊》1913年
バンジョーを弾く人の横で踊る2人の女性。まだキュビスムの影響ありあり。
・NBAバレエ団「牡鹿」2009年 映像 ゆうぽうとホールにて日本初演
3分の映像。衣装も舞台セットも、ローランサンの絵から抜け出たようじゃ。
★シャネルとバレエ・リュス「青列車」
・バレエ・リュス公式プログラム「青列車」劇場記載なし 1925年
・「青列車」ピカソとダンス「青列車」「三角帽子」(DVDより)1993年 パリ、バレ・映像
昔の水着チックなスポーツウェアにコスチュームジュエリーの衣装。
映像も楽しゅうござります。
★ローランサンと装飾美術
・《立体派の家のための飾り絵Ⅱ》1912年
・《立体派の家のための飾り絵Ⅳ》1912年
キリッとした女性の楕円形の肖像画2点。ポール・ポワレが買い上げたそうな。
・《鳩と花》1935年頃
・《鳩と花》見本織 1930年代後半 タペストリー
油彩は、ピンクや赤や白の花々が咲く野に5羽の白い鳩。ピンクとグレーのリボンのような川(?)も流れておりまする。
タペストリーの見本織は、油彩の右下の一部分。
★ローランサンとニコル・グルー
・《鳩と女たち》
白い鳩が乗ったパレットを持つローランサンに寄り添うニコル・グルー。
★アール・デコ博 1925
・エレガンス館『ヴォーグ』誌(フランス版)1925年8月号掲載
8人の女性のイラスト。アール・デコな衣装がそれぞれ興味深い。
【第3章:モダンガールの変遷】
★1910年代:ポワレからシャネルへ
・ジョルジュ・バルビエ《パキャンのデイ・ドレス》1913年
『ガゼット・デュ・ボン・トン』誌に掲載されたイラスト。
高さのある帽子と、スフィンクスの石像の頭がお揃いチック。
・アンドレ・マルティ《ポール・ポワレのコート》
『ガゼット・デュ・ボン・トン』誌に掲載されたイラスト。
グリーンのコートとドレス、素敵じゃ。
★シャネルの帽子店
・ジャン・コクトー《ポワレが去り、シャネルが来る》オリジナル:1928年
ポワレのコートと羽根飾りの帽子を身につけて去ってゆく女性と、大きく描かれたシャネルの女性。
★ローランサンと帽子の女たち
9点のうち5点が写真撮影可。
・《日よけ帽をかぶって立つ女》1912年
・《白い羽飾りの黒帽子をかぶった乙女》1915年
・《青と黒の帽子をかぶった少女》1913-14年頃
確か2014年に三鷹市美術ギャラリー、2015年に府中市美術館でも観て、可愛くてお気に入りだった少女。再会できて嬉しいぞよ。
・《帽子の乙女》1923年
・《羽根飾りの帽子、あるいはティリア、あるいはタニア》1924年
★1920年代:モダンガールの登場
・ガブリエル・シャネル《イブニング・ドレス》1920-21年
黒ベルベットの膝下丈ドレス。丸い襟ぐり、ノースリーブ、腰の下の両脇にリボン、3段スカート。
・シャネル N°5の広告『ヴォーグ』誌 1936
3点展示の N°5の広告の中では、女性と円形の窓が描かれたこちらがお気に入り。
★1930年代:フェミニンへの回帰
・マドレーヌ・ヴィオネ《イブニング・ドレス》1938年
黒のチュール地に、金の大きめブドウ柄。黒のシルクサテンのアンダースカート。
クロスしたリボンベルトで絞ったウエストから、たっぷりしたサーキュラースカート。
ホルダーネックに黒チュールのストール。
大好きな黒×金の配色でデザインも素敵。これは着てみたいぞよ~。
・ボリス・リプニツキ《ココ・シャネルの肖像》1936年
イミテーションパールのネックレスを何重にもつけて、腕組みをする横顔のシャネルの写真パネル。かっちょいい。
★1930年代のローランサン
3点とも写真撮影可。
ローランサンの人気に翳りが見え始め、作風も淡い色彩が明るく強い色彩になるなど、変化していったのじゃな。
・《ばらの女》1930年
・《首飾りの女》1935年頃
・《シャルリー・デルマス夫人》1938年
明快な色彩。奥行きある構図は珍しい。
【エピローグ:蘇るモード】
この章は全て写真撮影可。
カール・ラガーフェルドは、1983年から36年間シャネルのアーティスティック・ディレクターを務め、ローランサンの色彩に着想を得たコレクションを数回発表しておるのじゃ。
・《ニコル・グルーと二人の娘、ブノワットとマリオン》1922年
写真が不鮮明過ぎじゃが、本展のメインビジュアル。
・カール・ラガーフェルド、シャネル《ピンクとグレーの刺繍が施されたロング・ドレス》2011年
淡いピンク色とデザインが、ローランサンの雰囲気ありあり。
・カール・ラガーフェルド、シャネル《黒いサテンのリボンの付いたピンクのフェイユ・ドレス》2011年
・カール・ラガーフェルド、シャネル《ピンクのツィードのスリーピース・スーツ、刺繍が施された襟元とベルト》2011年
・カール・ラガーフェルド、シャネル「2011年 春秋 オートクチュール コレクションより」2011年 映像
15分の映像が流れておりました。
ローランサンの絵画はもちろん、バレエ・リュス関連の展示や、ファッションの変遷も観る事ができ、楽しゅうござりました。
ピンク色のショップも充実しており、ラデュレの限定マカロンなどもあったぞよ。
会期は4月9日まで。
さて、渋谷に着いたのは10時前じゃったからのぅ、Bunkamuraがまだ開いてないゆえ、クリスピー・クリーム・ドーナツで時間を潰す事にしましたのじゃ。
並んだドーナツの中に、可愛いイースターひよこ発見!
可哀想じゃが、これは食べねばなりますまい。
ふわふわひよこの中にカスタードクリームが入って、美味しゅうござりました。
甘さはかなり控え目じゃったがの。練乳プリ~ズ!