前回の、都内でプチ旅行ブログの続きでございます。
京成リッチモンドホテル東京押上に滞在中、すみだ北斎美術館「北斎バードパーク」へまいりましたのじゃ。
https://hokusai-museum.jp/modules/Exhibition/#2
2016年に開館したこの美術館、家から遠くて一度も行った事なかったのでございます。
が、今回は大好きな鳥がテーマで気になっておったからの、ホテル前のバス停から墨田区巡回バスで簡単に行けると知り、初潜入した次第。
北斎バードパークは、3階企画展示室じゃ。
ロビーの、葛飾北斎《十二ヶ月花鳥図》高精細複製画は写真撮影可。
北斎一門の描いた様々な鳥を紹介する本展、前期・後期で一部展示替えあり、合わせて113点の展示。
わたくしが観たのは後期でございます。
構成は以下の通り。気になった作品の一部もリスト順に。
【第1章:バードウォッチング】
江戸時代、鳥ブームが巻き起こり、現代のバードパークやフクロウカフェなどのように、孔雀茶屋やら花鳥茶屋やらあったそうな。
この章では、北斎らが描いた66種の鳥が紹介されておりまする。
・魚屋北溪『狂歌百花鳥』下
枝にとまって首を垂れ、丸く膨れてウトウト目を閉じようとするタイハクオウム。
鳥は下から上にまぶたを閉じるので、この絵も笑っているように見えて可愛い。
ちなみにオカメ先輩(24年間一緒だったオカメインコ)は、眠くなるとウミガメそっくりの顔になるのも可愛かったのじゃ。
・葛飾北斎《文鳥 辛夷花》
辛夷の枝ででんぐり返る桜文鳥が可愛く、花も生き物のような錦絵。
・葛飾北斎《鵙 小薊》
よく見ると、イスカは嘴が交差しておるのじゃ。
・葛飾北斎《柳に燕図》
風になびく柳の間を5羽のツバメが急降下。
体も目もまるっとして可愛いが、子ツバメかの?
・葛飾北斎『北斎漫画』八編 エトピリカ
目の位置が微妙で面白い。
・葛飾北斎『北斎漫画』三編 風鳥 ベラ鷺 鵆 比翼鳥 鸎 烏骨鶏 駝鳥 山鵲 烏鳳 錦雞 鷚 蝋嘴 白鷴 鵲
フウチョウは、先日インターメディアテクの「極楽鳥」展で、剥製やジュエリーを観たばかりゆえ、興味深いのじゃった。
【第2章:鳥グッズ】
わたくしもオカメインコグッズを集めておるが、江戸時代にも櫛、煙管、根付、刀装具などなどに様々な鳥グッズや、鳥デザインの着物があったのじゃ。
・葛飾北斎『今様櫛 雛形』くしの部 上 あしにちどり かりがね
・葛飾北斎『今様櫛 雛形』くしの部 下 のがん うんくわく みづあほいさぎ ニばんぼにきぢ
どちらも半円の櫛に合った鳥デザイン。実物を観てみたい。
【第3章:舞台装置としての鳥】
舞台装置としての役割を果たしている鳥に着目。鳥に託した絵師の意図。
・葛飾北斎『略画早指南』後編
文字で絵を描く絵手本。ミヤコドリ可愛い~。
・葛飾北斎《冨嶽三十六景 常州牛堀》
船上の男が、釜から水面に米のとぎ汁を流し、その音に驚いて飛び立つ白鷺。
・葛飾北斎《元禄歌仙貝合 すゞめ貝》
お宝の入ったつづらの横に、鳥籠やスズメ。舌切り雀のお話じゃ。
・葛飾北斎『卍翁艸筆画譜』 山鴞
頭巾をかぶったフクロウが、止まり木で居眠りするの図。
そういえば、第1章の『北斎漫画』にも同じようなフクロウがおった。
ここで初めて知ったのじゃが、フクロウが頭巾をかぶったり止まり木にとまったりする描写は、「病を払う象徴」と「ズク引きのフクロウ」の2つの意味があるそうな。
薬屋のマスコットとして、看板犬ならぬ看板フクロウとして飼われたりもしたんじゃと。
頭巾をかぶったフクロウ、可愛いし面白いゆえグッズ化して欲しいのぅ。
・蹄斎北馬『柳の糸』四 桜女平太郎を依恋て病に臥す
ふすまに、頭巾をかぶって止まり木にとまるフクロウの絵が。
かような病にも効くんじゃろか。
・向井大祐/勝川ピー《竜田川に紅葉の図》
北斎が将軍の御前で行ったと伝わるパフォーマンスを、2017年に再現した作品。
刷毛で長く藍色を引いて竜田川に見立て、チャボのピーちゃんの足に朱肉をつけてその上を歩かせ、足跡を紅葉の葉に見立てておるのじゃ。
再現ビデオも流され、ピーちゃんの頑張りが分かるのじゃった。
鳥大好きゆえ、ツボな展覧会でありました。
キャプションもわかりやすく、コラムも楽しゅうござりました。
会期は5月21日まで。前期も観たかった・・・
4階企画展示室の常設展プラス「隅田川両岸景色図巻(複製画)と北斎漫画」も観たのでございます。
https://hokusai-museum.jp/modules/Exhibition/#1
「『北斎漫画』ほか立ち読みコーナー」では、北斎の絵手本の実物大レプリカ約15冊を実際に手に取って読む事ができるのが楽しいのじゃった。
こちらの会期も5月21日まで。
4階の常設展も覗いて、すみだ北斎美術館を後にしたのでございます。
押上でこの他に行った所の話は、またまた後日・・・たぶん・・・