この土・日・月曜はお供のEが多忙で、昨日の火曜やっとゆっくり美術館に行けたのでございますが、その話は後回しにして、先週観ていながら書きそびれておる展覧会から2つざっくり書きまする。
まずは、練馬区立美術館「練馬区独立70周年記念展 没後20年 麻田浩展 ―静謐なる楽園の廃墟―」
https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=201706081496892744
麻田浩の作品は、以前この美術館で銅版画を観たくらいで、殆ど観た事なかったのじゃ。
今年没後20年の麻田の、初期から未完の遺作まで、油彩や版画やドローイングなど約140点の展示。
父も兄も日本画家という家に生まれた麻田浩。
画家として出発し渡欧し、パリに暮らして銅版画を学び、そして帰国後、晩年と、作風もどんどん変化。
初期のお気に入りは油彩《牛.C》くらいじゃったが、意識も画風も変わってからのドローイングと銅版画の数点と、油彩ではパティニールに倣った《瀬戸の海(PATINIR風に)》や《パティニール讃》、チューリップ5輪の《不詳》、鳥や卵が描かれた《バード・スペース》やペンギンが可愛い《居るところ・鳥》、3枚のガラスを使って奥行きのあるガラス絵《蝶》などお気に入り。
ヒエロニムス・ボスの作品を主題にした《蕩児の帰宅(トリプティックのための)》や、兄へのオマージュ《御滝図(兄に)》なども興味深うござります。
帰国後から晩年の大作の数々には圧倒されまする。
くすんだ独特の色、リアルな水滴や水など、散りばめられた独特のモチーフ。
うまく言えませぬが、何やら不安な気分にもなるのでございます。
一番のお気に入りは《窓・四方》(1995年)
それまでの暗い世界から、この作品で突如明るい世界に。
四方をぐるりと鳥カゴやら鳥やら植物やらが取り囲み、中央の四角い部分はぽっかり空間で、柔らかく明るい光だけが描かれて、ほっといたします。
翌1996年に描かれた《四方・光》も柔らかな光に満ちておりますが、1997年の《沼・月》では沼と月が異質の黒い絵具で塗りつぶされ、再び暗い世界に。
そして麻田は自ら命を絶つのでございます。
圧倒される展覧会、観終わって、暫し放心状態でロビーの椅子に沈んだのでありました。
会期は11月19日まで。10月21日から一部展示替えがございます。
そして、武蔵野市立吉祥寺美術館「コンサベーション_ピース ここからむこうへ part A 青野文昭展」
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/exhibitioninfo/2017/06/-part-a.html
(青野文昭展のみ写真撮影可)
青野文昭、今まで存じませんでしたが、拾った断片を用いて制作を行う作家なのですと。
本展では、青野の祖母が戦前暮らしていた吉祥寺周辺地域での収拾活動に基づき、地域全体の記憶を「復元」するという作業に挑戦したそうな。
ロビーにもずらり作品が。
展示室の作品。
あまり期待せずに行ったのですが(失礼)、非常に面白く、隅々までじっくり観たのでございます。
アーティストトークも聞いてみたかったのぅ。
会期は10月15日まで。
ロビーの一部では、part B「[記録集]はな子のいる風景:イメージを(ひっ)くりかえす」
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/info/2017/08/-part-b.html
日本で最も長く生きたゾウのはな子の記録集『はな子のいる風景』の読書スペースがございます。
浜口陽三記念室では「1つのさくらんぼ、たくさんのさくらんぼ」
萩原英雄記念室では「冷たい石」
いずれも会期は10月15日まで。
★おまけ話
練馬区立美術館の日のランチ。
友人から黒酢酢豚が美味しいと聞いていた唐苑 練馬本店に初潜入でございます。
他にお客が誰もおらぬ・・・
黒酢酢豚セット(890円)と、やみつき焼き餃子(120円)を持ってまいれ~!
あ、ご飯は大盛りで。エヘ
何と。一般的な酢豚からはどえらくかけ離れたルックスじゃ。
写真では小さく見えますが、大きな肉の塊が2つと、大きな長芋が2つ。
お肉はほろほろ柔らかく、長芋はサクサク。
真っ黒いソースは黒酢の酸味がかなり効き、甘さも強うござります。
わたくし、スイーツで酸味が強いものは苦手じゃが、おかずで酸味が強いものは全然オッケーなのじゃ。
が、スイーツは甘いほど嬉しいが、おかずで甘さが強いのは苦手なのじゃ。(我儘すぎw)
黒酢ソースの甘みがもう少し弱いともっと好みなのじゃがのぅ。
今度練馬区立美術館へ行く時は、エビチリ・エビマヨセットを食べてみようかの。
★おまけ画像
発売以来ほぼ毎日飲んでるチェルシーシェイク、ちと飽きてきたやも。エヘ