世田谷美術館の白州正子展を観てきました。伯爵の令嬢であり、特に能に造詣が深く、かの白州次郎が人生のパートナーでした。自身の美意識のもと、多くの寺社や仏像を訪ね文学と骨董の世界の紀行文や評伝を書いています。その書物に添った能面や仏像の名宝の120点を展示、その中から彼女の神仏や自然への信仰の哲学が見えてきます。”日本には信仰という言葉がある。「何ごとのおはしまするは知らねども」の何ごとかを信ずる心である。たしかに私達は外国人がいう意味の宗教も信仰心もないかもしれないが、もしかするとそれ以上に強烈な信心を秘めているのでは…”と「熊野詣」で書いていますが、私はいつも「何ごとのおはしまするは知らねども」の”何ごと”かを信じて生きている自分が見えたように思います。