ドイツの”冬の旅”で耳にした、バンベルグの最も有名な扉のノッカー、りんご娘(アップフェル・ヴァイプライン)がホフマンの小説「黄金の壷」に出てくると知って、早速読んでみた。(光文社古典新訳文庫)このノッカーのある家屋は1299年に既に存在が記録に残っていると言う。、ホフマンがバンベルグ劇場音楽監督としてバンベルグに滞在したのは1808年、この「黄金の壷」を書いたのが1813年。「おとぎ話的な不可思議な事が傍若無人にどかどかと日常の現実に入り込んでくる」さまを描きたかったそうです。大人の幻想的メルヘンで挫折あり恋ありで結構面白かった。魔法使いのおばあさんが娘に化けてバンベルグのこのノッカーに入り込み訪ねてきた人を脅かす…と出てきます。バンベルグへ行ってこのノッカーの話を聞いたから興味を持って読めた感はあります。