N大の学園祭に詩人アーサー・ビナードが「第五福竜丸から”福島”へ」と題して講演をする。「ここが家だ ペン・シャーンの第五福竜丸」(集英社)はベン・シャーン(アメリカの画家)の絵に文をアーサー・ビナードが書き構成した絵本で日本絵本大賞をとっている。焼津の漁船が水爆に遭った時の絵本。写真のページは何年経っても麦畑は”どうしてわすれられようか。畑はおぼえている”と書いていある。除洗しても放射能はゼロにならない。「日本語ぽこりぽこり」は講談社エッセイ賞に輝いたエッセイ。アメリカ人から観た日本は面白い。芭蕉の”しずかさや 岩にしみいる せみの声”を巷で眼にした時、”how silent! the cicada's voice soaks into the rocks"と書いてあったと言う。私などフム、フムと納得してしまう。しかし、彼は”Up here, a stillness… the sound of the cicadas seeps into the crags"と英訳する。山を登り寺のあたりまできて、この”しずかさ”に出会ったわけだし…と句の詠まれた背景を考えて英訳したと言う。詩人の彼ならでは…と思う。英訳にしろ和訳にしろ背景や繋がりを考えて訳す…解っているけど難しい。