フランス人の伝記作家、ジェニフェール・ルシュールの三島由紀夫を読んだ。諸々の”三島由紀夫”を読んだが、外国人からみた三島由紀夫は?身近にいる日本人には書けない、バイアスのかかっていない見方で書かれていて面白かった。また三島由紀夫を深く知った思いです。「自分は武家の末裔だ」と得意になって話していたが、父方の祖先は農民であったとか。ノーベル文学賞を渇望して幾たびか外国人ばかりの晩餐会を開いて、アピールに余念がなかったとか。また、決起した自衛隊市ヶ谷駐屯地の最後の様子をここまで詳しく書いてある書物に出会った事はなかった。(安藤武著「日録」三島由紀夫は記録なのでかなり詳細だったが)本当に驚いた。しかしこれも外国人である著者ならではと思う。祖母夏子に造られた三島由紀夫、白い薔薇をもって訪れた弔問客に母倭文重は「お祝いに赤い薔薇を持ってきてくださればようございましたのに。公威がいつもしたかったことをしましたのは、これが初めてなんでございますよ。喜んであげて下さいませな」と言った。心中察するにあまりあるが流石!と感心してしまった。