書物の始まりはあのロゼッタ・ストーンだと言う。次はよく知られているパピルスだがパピルスは折り帳には折れて割れてしまい使えなかった。そして次は羊皮紙、白い羊皮紙をつくるには何工程も踏まなければならず大変だった。最後に紙の出現となるがぼろ布から作ったそうで、つまり木綿や麻を主成分としたぼろ布を使っていた。ぼろ屑屋という商売があったそうですから面白い。楮や三椏、雁皮の流し漉きは日本独特の製法だと言う。著者は絵画を見る時描かれている書物の製本方法からその時代などを想像出来ると言うのですから、そういう視点もあるのかととても興味が湧いた。しかし製本のまだ”ひよっこ”では無理かも。イギリスのウイリアム・モーリスがケルムスコット(見学に行った事がある)で理想の書物を製作した美しさへの追求を考えると、デジタル本に変わりつつある昨今、何をか言わんやの思いは深い。