製本教室の先生が古本市で韮山の名士江川坦庵(江川太郎左衛門とも)の郷土研究冊子を見つけ買い求めたそうです。静岡県郷土研究会が昭和18年11月に発行している。太平洋戦争たけなわの時、坦庵の反射炉構築の苦労話や江川家の歴史などを静岡県郷土研究第二十輯として発刊しているのですから驚きます。坦庵は江戸時代後期の伊豆韮山代官で反射炉を築き日本に西洋砲術を普及させ、書画詩作にも造詣が深い当地の偉人です。一方日本で初めてパンを焼き(兵士の携帯食料として)日本酒を醸造したと伝えられています。県立韮山高等学校の学祖であり文武両道や自由闊達な気風は今でも健在です。ここ数年反射炉を世界遺産へ…という気運が高まっています。古本市でのこの冊子はぼろぼろ、ばらばらだったものを先生は和紙を使って綺麗に補修したのです。冊子に載っている漢詩を読み解きたい言われるので資料探しをお手伝いした。司書の助けをいただき”韮山町史”や県立図書館の”江川坦庵展図録”で見つけました。