Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

利休の闇 加藤 廣(文芸春秋)

2015-05-28 09:12:56 | 日記
資料をを丹念に精査しそこから話を広げたり謎を独自に解き明かす著者の描き方が好きで、太田牛一の「信長公記」から書いた「信長の棺」を読んで好きになった。今回も「天王寺屋会記」や「宗及他会記」「今井宗久茶湯書抜」「利休百会記」と国会図書館の古文書に沿って忠実に追い利休の隠された一面を発見したと言う。”茶会記”には茶室は何処で、客は誰か、使った茶器などが書かれていて茶の湯に造詣が深い人は面白いと思う。山本兼一の「利休にたずねよ」はロマンを追ったが、やはり加藤廣は読者を史実に引き戻し次に話を発展させる、少々硬いが納得できる。利休の弟子宗二が秀吉に惨殺された小田原陣屋に利休がはせ参じる途中、伊豆の韮山で竹を切って花筒を作り献上したと書いているがこれも古文書にあるとしたら?とても興味は広がる。「信長の棺」では信長が”三嶋暦”を好み使っていた…と出てきますよね。