Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

畜犬談 太宰治(きりぎりす所収 新潮文庫)

2018-01-19 21:40:05 | 日記
犬が大嫌いな人の話です。山梨県甲府の郊外に住んでいた時やたらと野良犬の多い所だったそうで犬に出会うと怖くて背中に毛虫が十匹も走っているような窒息しそうな悪寒にやられる。髪を長く伸ばしているのも良くないし、ステッキを持っているのも良くないと。とことん嫌いだったある日、子犬が迷い込みポチなんて呼んで面倒を見出すが大きくなると途端に駄犬の本領を発揮する…その過程がさすが太宰治、怖がり方も面白可笑しくしかし立派な文学。東京へ引っ越す事になりポチと離れられると安堵するがそうは問屋が卸さなかった。ポチが皮膚病にかかってしまった。薬をつけた牛肉で殺す事になるが薬は効かず、許してやることになる。”芸術家はもともと弱い者の見方なんだ”と悟りポチを東京へつれていく事にする。大嫌いが徐々にポチに心を開いて行く、可笑しくて笑っている内に…、やっぱり大家はうまいなあ…となります。