Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

父の逸脱 セリーヌ・ラファエル著 (新泉社)

2018-01-29 14:53:07 | 日記
フランスで大反響を巻き起こした本と言うので読んでみた。サブタイトルに”ピアノレッスンと言う拷問”とついている。祖父が移民だった苦労が父親に暴力として受け継がれたらしいと言う。貧困で情操教育まで受けられなかった父親が娘を持って夢を叶えたいという思いが過ぎて体罰を加えてピアノの練習をさせる。幼児のお尻を革ベルトで鞭打つ…愛情が過ぎて本末転倒してしまったのか。大企業の管理職まで務めた父親は家に帰ると娘を虐待しピアノの練習、練習に追い込む。母親は夫の愛が欲しいため見て見ない振りをする…ここが理解に苦しむ所です。娘が成長し外部に発信出来るようになり学校の保健師に救われる事になる。幸い娘は医者の道に進み自分の体験を語り伝え「助けを求める小さな声が苦悩を秘めた小曲のように誰かの耳に届く事を切に願っている」と結んでいます。勿論父親は児童虐待の罪に問われた。歳を重ねた身にとって小さな子どもの苦悩ほど心を痛める事はありません。読んでいてとても苦しかった。思い返せば次女が幼児期ピアノレッスンをいやいや受けた…私は叱咤したが同じような事をしたなあと今思う。しかし次女も図太かった、先生の前で居眠りをしたのですよ。