Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

美しき愚かものたちのタブロー 原田マハ(文藝春秋)

2019-10-27 10:02:19 | 読書
先日モネの”睡蓮柳の反映”がフランスでの保存状態が悪く上半分が剥がれ落ち無くなっていた。国立西洋美術館で下半分の修復は出来たが上半分はAIに読み込ませ完成したと言い世間の耳目を集めたばかり。これは確かにオランジュリー美術館の連作睡蓮の一枚であり、松方がモネから直接購入したものだと言う。膨大な松方コレクションの苦難の道のり、実業家松方幸次郎、戦時下パリで絵画を守った彼の部下、美術史家、返還交渉に臨んだ吉田茂の四人の男の隠された奇跡の物語。松方が絵画を収集し日本へ送り出す事も難しい戦時下、良い状態での保存など出来ず大変だった事など読み応えのあるものだった。戦後はフランスの財産として没収された。その時動いたのは内閣総理大臣吉田茂。西洋の美術を集めた美術館を造る、日本の人に本物を見せたい…松方の夢は残された人々によって”国立西洋美術館”となったのです。書かれているバックボーンはノンフィクションと理解している。