マリア・シャラポワ自伝 （文藝春秋）

マリア・シャラポワは父と共に6歳の時アメリカへテニス修行に渡った。貧しい親子の過酷な異国での生活は悲惨だったがひたすら"Dreams come true"を信じて二人で努力に努力を重ね壮絶な生活だった。幼いながら彼女の意志の強さ、不屈の精神、決して諦めない…これが支えの原点でロシアの小さな女の子は徐々に話題になりエージェントやアカデェミーが投資を目的に動き出す。11歳でナイキと契約、これもナイキは彼女に対する投資で賭けだったらしい。やがてシャラポワもセリーナ・ウィリアムズの前にたちセリーナの押しの強さ、自信、個性、成熟した経験豊富なオーラに圧倒される時が来た、17歳の時だった。しかしセリーナは短気ですぐカッとなり審判員に文句は言う、ラケットは放り投げる…（先日の大阪なおみとの決勝戦でもそうでしたね）こうしたプレーヤーと戦う最高の方法は冷静さを保ち必要以上に沈着な態度をとり、堂々とした落ち着きを見せる…こうした技も習得し、ついにウインブルドンのグランドスラムでセリーナを下して初優勝、17歳だった。勝利で生活は一変したが、敗北は打ちのめすものだが屈辱を教え強さを与え、欠点を修正できさらに向上する事が出来るという教師であると世界のコートで学んできたと自省をする。2005年ランキングは一位となり父親の夢は叶った。地位も富みも得た彼女にやってきたのは肩の腱の断裂だった。復活を望み手術を受け全仏オープンで返り咲き、ロンドン五輪ではロシアの旗手を務めた。その後ドーピング疑惑に巻き込まれ好きなテニスからしばし離れる。
長い物語だったが貧しかった親子の奮闘は勇気を与えてくれるし、あちこちのツアーに私も行った気分になり（？）とても満足、楽しかった。なにしろテニスゲームを観ることが大好きな私ですから…。

稲穂

もうお正月のお飾りの稲穂が届きました。知人のＴさんは当地でご主人と農業を営みそのお米は”魚沼産のこしひかり”よりももっと美味しい。確実に実るまで待っての収穫なので新米を頂くのはいつも10月下旬になる。甘くて一粒一粒がしっかりしていて決して潰れたりしない。ご夫婦の労働に感謝してご飯を頂いています。Ｔさんはスポーツや文化面でも活躍なさっているスーパー・ウーマン。立派な稲穂をアレンジして今年も手作りのお飾りを作ります。それにしても一年は早い！。

フライパン・パエリア

パエリアの簡単ソースを見つけこの所パエリアづいています。洗わない生米をオリーブオイルでちょっと炒めこの簡単パエリアソースと水を加え、海老、あさり、ホタテにパプリカ、アスパラを加えて蓋をして20分中火で炊きます。パエリアは少しお米に芯がある炊き上がりが成功ですよね。その芯のあるライスの独特な味わいが好きです。簡単パエリアソースのお陰でサフランの心配もせずいつでも食べられるが自然のサフランの香りや味わいには全く劣ります。
2008年スペインへ行った時独り参加の男性4人に誘われレストランでパエリアを食べた想い出がある。生ハムも食べよう、ワインも飲もうとリタイヤ直後の男性と5人で（女性は私独り）盛り上がった。聞く所によると彼らは皆奥さまは天国へ行ってしまったとか…。酒盛りが終わって割り勘にするべく仕度をしたら”女性には払わせられない”と私にはご馳走してくださった。その上に”一緒に食べてくれて有難う”などと嬉しい言葉を頂き、私は涙が出そうになった。パエリアを食べる度に懐かしく思い出す。

十三夜

今夜は十三夜です。十五夜と違ってあまり騒がれません。旧暦の9月13日が今日、10月21日に当たるそうです。先人たちは詩歌にも詠んで十三夜を愛したらしい。私も十五夜より虫の音や、少しひんやりした空気を感じさせる十三夜が趣き深いと思う。樋口一葉の名作”十三夜”も思い浮かぶ。苦境の中の若妻が幼馴染みと出会いお互いに胸に抱えるものを持ちながら別れる…十三夜の月の夜道を。明治の女性の哀しい物語。日中が秋晴れだったので窓から覗いて見たが…。

サラメシ？

製本教室はお弁当を持ってのほぼ一日です。それぞれが一品を持ち寄って分け合って頂きます。皆さん他の家の味が味わえ、男性は製本教室ビュッフェと喜んでいます。今日は特にたくさんのお惣菜が揃ったのでお披露目しますね。私はいつも自分の”静岡塗りわっぱ”にお弁当を作り、蓮根のきんぴら風炒め物と自家製らっきょう漬けをビュッフェに提供しました。皆後期高齢者、谷あり坂ありの人生を経て知識も豊富、実に充実した時間を過ごしています。私がロースト・ビーフの美味しい簡単な作り方をお教えしたら男性のＯさんはすぐビュッフェの一品に作って来たのには驚きました。ミディアム・レアでスパイシーで美味しかった。

そだね～チーズケーキ ”赤いサイロ”

一昨日は久し振りのお喋り会、酷暑の夏はお休みでした。リーズナブルな”鰻丼”を家でお吸い物と漬物を付け加え仲良しばあさん4人で頂きました。井戸端会議、これがストレス発散には良い薬、心身共に皆◎だったと思います。
今日は製本教室でたった二個しかない、かの有名な北海道は北見市のチーズケーキを婆さんと爺さん８人でジャンケン…私がその一つをゲットしました。平昌オリンピックのカーリングのチーム”そだね～（ＬＳ北見）”がおやつタイムに食べていたチーズケーキです。Ｆさんが持ってきてくださった。あれ以来注文が殺到して製造が間に合わないそうですから貴重な一個が私の手の中に舞い降りました。ラッキー！甘さより塩味が勝ってしっかりチーズで大人の味、これでは馬力も出ますね。

ル・クルーゼでアクアパッツァ

スーパー・マーケットで30ｃｍもある養殖の鯛を見つけた。たったの600円、買わなくては…。養殖だから味は解っています。アクアパッツァしかないでしょう。あり合わせの野菜とローリエを放り込んで白ワインを思い切り使い、自家製ドライトマトで味の深みをだしました。淡白な（養殖ですからね…）鯛が酷のあるスープに助けられそれでもイタリアの雰囲気がして楽しめました。ケーパーやオリーブの実があったらもっと良かったのにね。

遠藤周作全日記（河出書房新社）

著者は1950年6月横浜からマニラ、シンガポール、コロンボを経て民族に触れながら、シブチに感動しコルシカ島の前を通りフランス、マルセーユに一ヶ月後到着する。船旅は四等、不潔で暑さと船酔いに悩まされ壮絶な旅だった。リヨンでの生活はフランス語が達者だった著者はクリスチャンとしてリヨン大学で勉強する。多くの本を読みフランス国内を旅し、しかし孤独にも陥り結核発症に生きたいと叫び、これからカトリックの信者として又作家にならんとしている時の苦悩は大変なものであった。二年半の留学生活に終止符を打ちブロンドの恋人とも別れ帰国をする。カトリック関係者や多くの友達との交友、フランス国内は勿論、イギリスやスイスへの旅などこの後の作家としての糧を得たのだと思う。偉大な作家の日記はとても深く、立派な随筆であり物語でもある。やはり留学中の日記はフランスの旅行記のようで面白く読後の充実感が私の心のエナジーになった。心を奪われたあの”沈黙”には私がまだ50歳を過ぎたばかりの頃出会った。苦しくて苦しくて悲しく、しかし何処かに希望を見出そうと必死に読んだ。歳を重ねた今はとても自身が耐えられなく押し潰され読めないとつくづく思う。数年後世田谷文学館で遠藤周作文学展を観たが木製の”踏み絵”やいつも枕元に置かれていた母親からのマリア像など彼の晩年を偲び切なかった事を思い出す。その後私は長崎の外海の遠藤周作文学館も訪ねてしまった。

松茸ご飯 2018

夫の命日がやって来ました。17年が経ち悲しい事は数々あったけれど何とかやってきました。先日亡くなった樹木希林が、”心にはまだまだエネルギーがあるのに身体がそれに付いて行かない”と言っていた。確かにその通りで時として私は心が萎えて心にエナジーがなくなる時があります。するとお終いと言う事ですね。今日は夫の好きだったカサブランカが手に入らず白いゆりとなりましたが、そして季節には一度松茸を食べようと言っていた声が聞こえ（毎年聞こえる）アメリカ産松茸ご飯となりました（形が悪いが香りは良い）。どうぞ家族をお守りください。