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お好み夜話-Ver2

エリちゃんのいうとおり

店の家賃を払いに銀行まで歩いて行った。

通帳がいっぱいになってしまったので、ATMではなくちょっと離れた銀行へ。

何かとそういう用をみつけて外へ出ないと、この「危険な暑さ」の中体を動かす機会がない。

隅田川にしっかりフェンスが張られた汐入公園はジョギングの人もなく、

花火大会用の連絡番号の貼られた電柱の後の芝に入らぬよう区画されていて、

着々と花火大会の準備が進められている。

この暑いのに橋桁の上に止まってジッと動かない鳥を、橋の下の日影に入って汗を拭きながら観察した。

いつまで経っても動かないのでこっちが根負けして、息苦しくなる陽射しの中へ踏み出して帰路についた。

シャワーを浴びているときに足のあざに気がつく。

たかだか1時間程度でこんなあざができるなんて!(◎_◎;)


介護保険の還付金があると役所から封書がきていた。

中に「介護だより」という新聞が入っていて、

60歳以上の人に老人クラブの参加を呼びかけていた。

「グラウンドゴルフ」「輪投げ」「日本舞踊」、どれも絶対やらないし、老人クラブで皆さんと楽しく体を動かすなどという役所のお仕着せには全く馴染めないへそ曲がりは、ポンコツのくせにまだフルマラソンを走りたいと足掻いている。


夕方、ピンポンが鳴って出ると「エリちゃん」が桃を抱えて立っていた。

「エリちゃん」はご近所に住む小僧の小学校の時の同級生、高校生の時はモグランポのバイト第1号。

小さい頃よく遊びに来ていて、お勤め人時代にストレスで会社に行けなくなった時、一緒に遊んでいるうちに癒されて復帰できたのだ。

「どうしたのオヂサン、大丈夫?」

と顔を見るなり「エリちゃん」に言われてしまった。

田舎から送ってきたという桃をお裾分けといただき、

「ちゃんとエアコンつけてね、病院代より安いんだから」

とさらに気遣われた。

少々お疲れかもしれないが、顔に出るほどか❓

しかし若い娘から見れば、しょぼくれて見えるのかもしれん・・・しょせんポンコツだし・・・。

でも、「エリちゃん」の言うことはごもっとも、エアコンが苦手などとほざいている場合じゃない。

「災害級の暑さ」は夜寝ている時の熱中症も多いというし、確かに病院代に比べればエアコン代などしれている。

ここは「エリちゃん」のいうとおり、エアコンをつけて寝ることにしよう。

ムスメよありがとう🙏


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