仙台の「バーバーくん」から美味しいお酒を送ってもらったからかもしれない。
(新しい酒米「吟のいろは」を原料にして、令和二年二月に誕生した純米吟醸「雪の松島」と「地球侵略」)
そして月曜日からまた8時終わりになることに怒っていたせいかもしれない。
どっちにしても、たらふく飲んでよいしょするつもりだった。
昨夜最後まで店にいてくれて、あたかも従業員のように一緒に駅まで帰った「投げちゃん」にも、言わなくてもいいよいしょ宣言をしたのだった。
自宅に戻り、まず湯豆腐をつくり、鯖缶を温めてつまみの用意をして、「渥美清の泣いてたまるか」DVDコレクション26のディスクをドライブに入れ、先日亡くなった「橋田壽賀子」脚本の「先生台北へ飛ぶ」を観ながら、やおら日本酒をやりだしウォーミングアップ。
「雪の松島」をペロッと空け、店から持ってきた半分ほど残っていた「雪の茅舎」をぬる燗で二合ほど飲んでエンジンがかかってきたので、筆ペンと墨汁と画仙紙などを用意した。
時刻は午前0時にならんとして、よいしょ「酔い書」には最適のお時間。
過去のブログでも書いたかもしれないが、「酔い書」とはいい感じで酔っ払って思いの丈を書きなぐる書道のことだ。
今を遡ること17、8年前、まだ千住の住人だった「バーバーくん」が、
「オレは上手い、天才的、がっはっは😆」
とでかい声で笑いながら、ミミズののたくったような筆文字をこのオヤジの眼前に突き出したのだ。
一目それを見るなりひったくって鼻をかんでやろうと思ったのだが、まだ歌舞伎町のチンピラヤクザも道を避けるようなおデブだった負けん気のオヤジは、
「フン、そいつが上手いとはよほどのマヌケだな。ほんとうに味のある書をワシが見せてやる」
とかなんとか言っちゃって、その晩ベロベロに酔っぱらってレポート用紙一冊分も書きなぐって部屋中にとっちらかした中から一枚を選んで「バーバーくん」に見せた。
見せられた「バーバーくん」が狐につままれたような顔をしたのははっきり記憶に残っているものの、何を、どんな言葉を書いたのかは全く覚えていない。
まあ確実なのは、「相田みつお」の書とは356万光年くらいほど遠く、「鶴太郎」の書体より月とスッポンほども劣り、幼稚園児のお習字に限りなく近いシロモノだったということだ。
だが、「バカは生きなきゃわからない」もので、その時に誕生したのが名作(迷作)「酔い書」だった。
愛想つかした「バーバーくん」が仙台へ帰り、オヤジはおデブスーツを脱ぎ捨て、311や911や暗黒の絶不調をくぐり抜け、コロナ禍の世の中になって、久々に「酔い書」の夜が復活した。
飲めば飲むほど強くなる「酔拳」があるが如く、飲めば飲むほどストライクがでる「酔投」も経験して、ついに花開く思想実験的な哲学的なおげーじつ「酔い書」。
飲む、書きなぐる、飲む、書きなぐる、筆が震え瞼が重くなるほどに、画仙紙の上には名言・絶句、「山頭火」もかくやという自由律俳句がおどり、シャックリがでる。
そのとき、酔っ払いの頭に閃いたのが「投げちゃん」に宣言したこと、ちゃんと「酔い書」していることを彼女にお知らせしなくてはと、ヘロッと書いたものを写メした、らしい・・・。
らしいというのは、記憶がないからで、深夜に若いムスメに訳のわからない写メを送るのは犯罪に等しい行為だということにも思い至らないのであった・・・。
「酔い書」しすぎてヨギボーにぶっ倒れていたオヤジがそういうひじょーしきなことをやらかしたことがわかったのは、朝日に顔をジリジリ照らされて起きて、その辺にぶん投げていたiPhoneを手にして「投げちゃん」からの返信に気づいたからだ。
ひと言、
「ただのやべー人だよ😑」
とあったm(_ _)m
これからはどなたにもご迷惑をかけないように、ひっそりと「酔い書」することをここに誓うものであります。
「バカは生きなきゃわからない」
おそまつ・・・・。
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mogmas
3600万分/1の男
両面宿儺
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