お好み夜話-Ver2

かあちゃんは油売り(第23夜 2005-10-02 09:30)


原油価格が高騰している。

アラブ諸国と石油メジャー、世界征服を企む悪の秘密結社の陰謀の臭いがする。

まさか、かつてのトイレット・ペーパー買い占めや、LPジャケットの禁止のような事態にはならないと思うが、気をつけて情報を判断しなければならない。
まだ当分石油に依存しなければならないのだから・・・。

しかしこんなご時世なのに、毎日安定して油を売っている女がいる。
我が家の、かあちゃんだ。

携帯のメルアドも、以前は「油売り」としていたくらい、かなり年季が入っている。
毎日の「油売り」は日課だ。

油の売り先はいくらでもあるらしく、かなり長時間にわたって売ることもある。
何かの事情で油を売らない日々が続くと、しだいに元気がなくなってくる。

また、ほんのつまらないことで、オヤジとちょっとケンカでもしようものなら、バッと飛び出していき、ものすごい長いこと「油売り」から戻ってこない。

かあちゃんの「油売り」の現場を目撃したことは何度もあるが、早くどっか行けと、追い払われてしまう。

油を売った代金は、多くの場合現物で頂いている。
お菓子だったり、果物だったり、お弁当の時もある。
ある時は自転車を頂いちゃったり、小僧の服やおもちゃ、オヤジの酒の肴、バッグなどなど、厚かましいにもほどがあるような、様々なラインナップである。
だがいずれにしても、ありがたいことではある。

しかしお店の開店時間を忘れてまで、油を売るのには困ってしまう。
常連さんは、店がオープンしているのにかあちゃんの姿が見えないと、

「どっかで油を売っているんでしょ」

と、わかってしまう。

どうか、油を買って下さる皆様、かあちゃんが時間を忘れていたら、すみませんがちょっと注意してやって下さいませ。

かあちゃんが今後とも熱心に「油売り」を続けていくのなら、いっそのことオヤジは「油売り」の亭主になって、左うちわの生活をさしてもらいたいものだ。
それがささやかなオヤジの夢だったりして・・・。


今日現在までに膨大な量の油を売り続けてきたかあちゃんは、ついにオヤジの身体の油まで売りつくしてしまいました。
おかげでオヤジは乾いちゃって、乾いちゃって・・・。
嗚呼、もうじき「反省期プラスワン」まつりだが、それまで我慢できるだろうか・・・。
油切れの sake、ソース切れじゃい dokuro

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