今夕で最後の点滴が終わり、
「今日もボトル空けちまったぜ」
と言うと、ノリのいいナースが、
「このボトル体にいいのよ。ちょっと痛いけど」
なんて応じてくれる👍
なんでこんな軽口が叩けるかっていうと、今朝方オヤジの熱が上がっていないのを見た担当医から
「明日、退院できますね」
と、言われたからだ‼️
あんな熱が出たのに、予定より1日早い退院👏
だが同室の人たちは今朝みんな退院してしまい、望んだわけではないのに6人部屋にただ一人。
べつにオヤジが騒いだわけでも、変な悪さをしたわけでもない。
こっちの方が予想外の前頭葉発熱親父 ( 旧ブログからおつき合い頂いている方には懐かしいでしょ ) になってしまったせいで、熱さえ出なければずっと彼らより元気で、朝晩ストレッチして病院内を歩き回っていたのだから。
しかしマラソンと同じ、中間地点を過ぎてからガクッと失速したようなもんだ😥
ま、誰もいなくなったのはもっけの幸い、片っ端からベッド間のカーテンを開けて回り、空のベッドがあるだだっ広い個室状態。
午後、かあちゃんとだだっ広い個室の真ん中にパイプ椅子を広げ、誰に気兼ねすることなく話した。
明日の荷物を少なくするため、着替えやら何やらをあらかた持って帰ってもらった。
かあちゃんは明日は旅行で来ないが、前から決まっていたことだから気晴らしに行った方がいいのだ。
旅行の日に退院になるかもとちょっと思っていたオヤジは、その日のことを妄想していた。
「高倉健」さん主演「山田洋次」監督の不朽の名作、1977年公開の「幸福の黄色いハンカチ」をご覧になった方は思い出していただきたい。
「高倉健」さんの名演技は数々あれど、この映画の「健さん」のワンシーンには今だにグッときてしまう。
当時若干20歳の映画かぶれのガキは、劇場でウ~ンと唸り身を乗り出し、スクリーンの「健さん」の芝居に魅入ったものだ。
いま思うとあの「健さん」が、オヤジをバッカスの神の僕にしたと言っても過言ではないだろう。
「健さん」演じる「島勇作」(島耕作じゃないよ) は殺人罪でナガムシ(長六四 =長期刑 )をくらい、6年ぶりに「網走刑務所」を出所する。
ムショを出た「健さん」はその足で食堂に入り、自由になった最初の食事にラーメンとカツ丼を注文する。
ハイちょっと待った✋「投げちゃん」、早ガッテンしなーい。
オヤジが退院して初めに食べたいのは、ラーメンとカツ丼ということではありません。
食堂で「健さん」が注文したのはこの他に、1本のビール。
食事が運ばれて来る前に、食堂のおばちゃんからグラスに注いでもらったその一杯を、万感の思いで見つめ、やっと決意がついたように両手でグラスを押しつつみ、震えながらグッググウ~ッと・・・・・・😭
ああああああああー
・・・・・・
こ、こ、こ、これが、耐えに耐えた不器用な男のビールの飲み方ぜよ‼️‼️
こんなことをわかってくれそうなのは、もはや野毛辺りを徘徊しているであろうあの古き悪魔しかいるまい。
それともあの男はすでにポンコツになって、山下公園のベンチで憧れのハワイ航路でも夢見ているのだろうか、おいたわしや・・・・・・。
う、う、う、つい興奮しちまったぜ。
こんなこっちゃ明日退院だってのに、また血圧計の上限をぶっちぎてしまうかもしれんな。
フッ、ハードボイルドなオヤジだぜ😎
それもこれもみんな、「健さん」とあの1杯のビールのことを妄想したせいだ。
しかしあのビールの銘柄は何だったんだ⁉️
思い出そうとしても忘れられない、エキセントリックな脳みそをかき混ぜているもうすぐ56歳👎
こんな体たらくじゃ、「出所食堂健さんビールゴクゴクごっこ」なんてできゃしないぜ。
ムショを出たら、じゃなくて、退院したらすぐさまTSUTAYAに行かねば。
情けないことに、ビデオもDVDも持っていないのだ😫
いっそのこと退院祝いに、自分にご褒美で買っちまうか💡
おいその辺のヤカラ共、「幸福の黄色いハンカチ」を見て男の生き様とビールの飲み方を学ばんかい‼️
「鉄矢」も「金八」になる前に学んだのだぞ。
あ、それに映画の冒頭の歌、「吉田拓郎」の「静」(現 歌酔曲 ) だしさ👍
ヤベッ、もう寝よ。
明日、ナースに言う別れのセリフ練習しないといけないからさ😁
長々御免🙏
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