彼らと一緒に仕事をしたのは、もう20年以上も前になる。
友達、というよりは仲間、あるいは戦友と言った方がいいくらい、同時期を家庭よりも濃密に過ごした。
オヤジなんかは全く畑違いの仕事から転職して、「悪魔のあっくん」以外はみんな5、6歳も年下で、上司だった「コジコジ師匠」に連れられて営業のイロハを覚えたものだ。
でも「コジコジ師匠」には営業以外に、ゴジラや怪獣のオタクを目覚めさせられたから、危険な上司でもあった。
「ミヤちゃん」や「コウちゃん」には、深夜まで企画書や見積もりを手伝ってもらって、その後に飲みに行ったりしていたものだから当然家には帰れず、事務所によく泊まっちゃったよなぁ。
まだバブルの燃えカスがくすぶっていた時期でもあり、「ジュリアナ東京」やらディスコの仕事もあったり、「ミホちゃん」はミニスカートで現場に来るもんだから、職人の目のやり場がなくてあとで監督に文句を言われたりもしたよなぁ。
なんだか肩書きばかり上げられちゃって堅っ苦しくなって来たとき、「ナンちゃん」が新入社員で来たんだよね。
部長から履歴書を渡されて選んでくれと言われて、キミを外しちまったのはほんとにオヤジの見る目がなかったと今でも反省しているよ。
彼らとだったらなんでもできるような気がしたし、常に会社のトップを走っていることが誇りの時もあった。
みんな若かったし、仕事も遊びも全力だったよなぁ。
紆余曲折、精神的にも肉体的にもみんなそれぞれキズを負い、それでも今も頑張っているし、若い。
愚痴は言わず、思い出話しだけでなく、前向きな話しをしている連中を見て、酒も旨かった。
昨夜会えなかった仲間とも、次回は話しをしてみたい。
40の坂を上り、50に差し掛かるお年頃、今は大丈夫でもオヤジのように深く静かに危険な状態が進行しているかもしれないので、身体をいたわっていつまでもうまい酒を飲めるようにいてほしい。
みんなありがとう。
また会おう !!
かあちゃんはまだ本調子ではなかったので家に残し、ひとりでやっていたのだけれど、なんだか仲間が帰った後とても寂しくなってしまった。
寂しくて、寂しくて、まだ酒が飲み足りない。
仕方がないからひとりで「碧夢」のカウンターに止まって、静かに酒をすすってため息ついてしまった・・・。
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