1つは女子が途中でトイレに行ったのを待っていたこと。
もう1つはサルが遅れたのを待っていたこと。
あと1つは沿道の子供たちにちょっかいを出しすぎたこと。
この3つで10分以上のロスが出た。
坂本宿・関所コース組と別れて、赤鬼・青鬼・サルの3匹で碓氷峠をめざしたが、1㎞も行かないうちに第3関門が待ち構えていた。
手元の時計は10時50分を指し、ウソだろと、なんどもタイムと時計を見比べて、ようやく現実が飲み込めた。
タイムオーバー !!
20㎞ちょいで敢え無く撃沈、落ち武者となる。
ということは、生涯2度目の収容バスに乗せられちゃうのだ。
しかも師匠と、「東京マラソン」の時にさんざん笑ったサルと共に、だ。
甘かった。
完全に読み違えた。
坂本宿・関所組と同じペースではダメなのだ。
せっかく晴れて登山にはいい陽気だったのに
赤鬼と青鬼の金棒でサルに八つ当たりして、ボカボカ殴ってるところを地元のテレビ局に取材されてしまった
(この模様は群馬テレビで25日に特番で放映されるらしい。どなたか録画できる方はいないだろうか ? )
そして収容バスの人となり、待つことしばし、発車して碓氷峠の眼鏡橋のところを通り、いつしか落胆と心地良い揺れに眠ってしまった。
収容バスって、なんて快適なんだろう。
30分ほどして目を開けると、バスはどう見ても軽井沢に停車しているではないか。
しかも一番賑やかな軽井沢銀座の路上に
なにゆえ、このフザケた格好の落ち武者たちは軽井沢まで連れてこられたのか。
道行くカップルや上品な紳士たち、おもちゃみたいな犬を連れたセレブな感じのご婦人が窓の外に見える。
もしや罰として、この華やかな路上で晒し者にされるのか
なんの説明もないまま、放置されて30分、尿意がMAXに達し、このままではお漏らししてしまうかもしれない。
赤鬼の師匠にそう言うと、彼もお漏らしのピンチ、さりとて赤鬼の姿で軽井沢銀座へ飛び出す勇気もでない。
だが、現実的にこの姿で収容バスでお漏らしは、ぜったいに人として(まあ鬼だけど)あり得ないだろう。
どうせなら鬼のヅラをかぶって出ていったほうがサマになるかとも思ったが、意を決してサングラスをかけてバスの外へ出た。
まだガマンできるとほざいたサルが、ニヤニヤしながら見ているのを背中に感じながら、赤鬼・青鬼は公衆トイレを目指した。
道行く人の視線を痛いほど感じながら、それでも裏通りをトイレまで急ぎ足。
いざトイレに着き、便器の前に立ったが、全身タイツなので上半身は脱がないと用が足せないことに気づき、この状況はいかにもヘンだからふたりとも個室に入って用を足した。
スッキリして手を洗っていると、隣で手を洗っている男が鏡越しに胡散臭気な視線を送ってくる。
とっととトイレを出てバスまで急ぐが、赤鬼が心細げにつぶやく。
「もし、バスがいなかったらどうしよう・・・」
そ、そ、そんなこと、あり得ない。
収容バスにも見放されたバカ鬼は、軽井沢の町で途方にくれてしまうではないか。
一抹の不安を隠しながら、急ぎ足で路地を抜け表通りへ出たとたん、通行人の視線がいっせいに注がれるのを感じた。
行き過ぎた人は振り返り、口に手を当て顔を見合せている女の子たち、鬼が手前で横切るのを凍りついたように見守る人・・・。
だがサングラスの視線を前に向け、いかにもこれが最新ファッションだと言わんばかりに背筋を正して、バスへ急ぐ2匹の鬼。
通りを渡ると、ホッ バスはまだ停車していた。
救われたようにドアに駆け込むその時、女子が3人ギョッとしたように立ち止まり、
「なに、あのひとたち・・・」
と呟いたのが聞こえ、バスの前面に張ってある「侍マラソン」の文字を見て、
「えっ ? 選手 ???? 」
と言った。
いちおう選手でしたけどね、今じゃ落ち武者、敗残兵、晒し者の鬼でございます。
なんで50過ぎて、こんな屈辱を味わわなけりゃならんのでしょうか。
それが「投げちゃん」言うところのドMってやつなのか
もともと安中城主の趣旨では、「50歳以下の藩士の鍛錬」とあるのだから、老いた青鬼とか老いた金太郎とかは参加しちゃいけなかったのだ・・・・
しばらくして、屈辱の軽井沢からバスは動き出し、碓氷峠に向かった。
道は狭く、峠の上は駐車場も少ないため、上から下りてこないとバスが上がれなかったのだ。
それにスタート前に預けた荷物は峠のゴール地点にあるため、収容されてもそこへ行かなければしょうがないのだった。
峠の神社の前で荷物を受け取り、ようやく鬼から脱し、昼飯にありつく。
かけ蕎麦と力餅が参加料3500円に入っているし、軽井沢観光までさせてくれてお得
帰りは完走者も脱落者も同じ収容バスに乗り、駅や駐車場まで送り届けてくれる。
今度こそ安心して、バスの中で爆睡。
安中市役所の駐車場まで戻ってきたのは、スタートしてから7時間半も経っていた。
先にゴールした坂本宿・関所組は電車とバスを乗り継ぎ、
(爆睡)
駐車場から宿へ向かい、もうチェックインして一風呂浴びているようなので、こちらも急いで出発。
山道の残り9㎞を走らなかったので、体力が有り余っている。
これがその晩さらに最悪な事態を引き起こすことになるのだが・・・・。
今宵は伊香保、宿は毎度おなじみの「伊藤園ホテル」、飲み放題食べ放題で7800円。
温泉に浸かり、缶ビールを開け、すぐに夕食。
たらふく食べてビールを飲み、部屋に引き上げて反省会、という名の馬鹿騒ぎ。
毎度学習ができない青鬼は、収容バスへ乗せられた諸悪の根源とサルを名指しして、酔っ払った勢いでフライングボティプレス
赤鬼もサルを攻撃して、すご~くハズカシイ行為を
(公にはできません。興味が有る方はムービーを収録してありますので、こっそりお見せしませう)
記憶を無くす一夜が開け、それでも赤鬼・師匠は6時ごろ伊香保の街を走りに行った。
青鬼・オヤジはといえば、胸が痛い・・・・。
昨夜のフライングボティプレスで、またもや肋骨に損傷が
マラソンに来て肋骨を負傷するのは、これで3度目。
しかもすべて酔っ払った挙句の自滅行為。
まったく反省ができないバカオヤジなのです。
ちっきしょう !!
こうなりゃ来年リベンジだ !!
次回は全員峠コース、遅れた者は置いてゆく、峠を制覇してこそ「侍マラソン」なのだ。
練習をしないサルはまた、素敵な軽井沢収容バスの旅を味わうがよい。
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投げ子
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