お好み夜話-Ver2

副作用

内科医から処方された薬を飲んでほぼ1週間、咳と痰の症状はだいぶ治まってはきたけれど、未だ喉のいがらっぽさはとれず、ヒューヒューサラウンドみたいに息が漏れる。

だがそれよりも何よりも、このたまらない眠気と手の震えが腹立たしい。

昨日店で、ネギを刻んでいて指を切ってしまったし、土曜日にカウンターにみんなが着てくれたときは、ビールを注ぐ手が震えてまるでアル中みたいだった。


副作用が出るような薬だから効くのだろうが、もういい加減この薬を服用するのはやめよう。

4年前と似た症状だとすると、自らの治癒力を信じ医者にも薬にも頼らず良くなることができるはずだ。

どこか弱気になって、医者と薬にすがってしまったことを恥じる。

腹立たしい薬を捨ててしまって、野生動物のように我慢強く、ジッと自然治癒力が高まるのを感じよう。


思い出せ、あの頃を。

絶不調のどん底で、棺桶に片足突っ込んでいると医者に宣告されたあの時を。

自分のやり方で、足すこと無く、引いて引いてたどり着いた真理を思い出せ。

立ち直る自分の力で、もう医者にも薬にも頼らない。


かあちゃんの熱はやっと沈静化した。

しかし何も食べていないので体力がないし、顔に覇気がないないから、店に出てきてもらっても困る。

今日明日は1人でやるしかないだろう。

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