小僧が鼻水を垂らして咳き込みだした。
熱はなく元気ではあるのだが、医者に連れていくと風邪ではなく鼻炎だと診断されて薬を処方された。
作業所も休まずメシもいつも通り平らげるものの、朝晩の咳き込みは酷くそれが一週間ほど続いた。
その間オヤジは目が痙攣するほどパソコンと向き合い、内装業者からPDFで送られてきた店のレイアウトプランに手を加え印刷し、さらに赤ペンで追加を書き足し、その図面を持って店に行きメジャーで計り直し、作り直したレイアウトプランをPDFに変換して送り返すということを繰り返した。
その間毎朝、悪夢で寝汗をかいて飛び起きるということが続いた。
ひどい時には立て続けに3本、わけのわからない店でのトラブルに巻き込まれる夢をみて、朝っぱらからため息ついて疲れちまった。
しかし何度もやり直しだいぶいいレイアウトになってきたと、これしかないでしょとかあちゃんと頷きあった。
一安心する間もなく今度はオヤジが咳き込みだし、熱はないもののだるいし食欲はないし、夕飯も食べずにマスクをしてベッドに潜り込んだ。
考えてみたら去年の今頃も、小僧が咳き込んだらオヤジもそれに追従して寝込んだのだった。
なんだか負の年中行事みたいになっちまったけど、今回も絶食を決め込んでそれからまる2日間自室に引きこもった。
ウトウトすると咳込み、ひとしきり咳き込んだら眠くなるということを繰り返し、2日目の夜にやっと「そうだ、ルルを飲もう」と思い至った。
薬を飲む前になんか腹に入れておこうとバナナ1本を食べたら、それが呼び水になったのか腹の虫が鳴きだした。
だがそれ以上食べる気もせずとっとと寝て、翌朝薬が効いたのか幾分スッキリしたので2日ぶりのシャワーを浴びたら、盛大に腹の虫が鳴きはじめる始末。
それでやっと味噌汁を1杯と「東京マラソン」でもらった「BODY MAINTE」を飲んだ。
今年も「ルル」3錠で山を越したかもしれない、単純なポンコツだ・・・。
寝込んでいる間に雨は上がり、気温もグッと上がってようやく春が来たようだ。