お店を作るのは時間がかかるが、壊すのはまぁ~容易い。
15年間共にした造作や作り付けの家具が、職人の手によって次々と壊されていく。
このオヤジがビスや金具を外してバラそうと試みてもビクともしなかった造作が、本業は大工だという職人の手際の良さに見惚れながらどんどんバラされていく。
しかし、カウンターの上の棚はがっちり頑丈に作り付けられていて、職人2人ががりで細かく切り崩してバラされた。
嗚呼、強者どもが夢の跡・・・。
この場所に店を構え、2度目の解体。
25年前、さいしょにこの場所を解体した時は、きったない場末のスナックだった。
家賃滞納で出ていった昭和の残骸を完膚なきまで壊して、当時としてはモダンなイタリアンと見まがうような内外装に作り変えた。
1997年5月、モグランポのオープン。
それから10年、窓面が多くて2度も泥棒に入られたりしたことなどから、店舗を改装をすることにした。
そして外観も店内レイアウトもまったく違う店に生まれ変わった。
だが・・・。
それから15年、25年目の節目にもう一度改装することにしたのは、コロナの影響と我が身の不調が続いたため。
あと何年仕事ができるかわからないが、今度の改装でまちがいなく「終の棲家」になるだろう。
居心地の良い店にしたい、気どらず気さくな空間になればいい、眠れないほど悩んで考えて、ようやく一歩を踏み出した。
常連さんたちと笑い合い酒を酌み交わし、どんどん大きくなる「マゴ」の成長にウルウルし、懐かしい顔、名残惜しいあの人この人の旅立ち、みんなの想いや声が染み込んでいるカウンターや壁・床・天井・・・。
職人の丸鋸が唸り、バールやハンマーが思い出に打ち込まれる。
ここで得た糧、教訓、反省、悔い、失敗、その全部に感謝。
来店してくださったすべての方々に感謝。
感謝の想いが新しい店に昇華されますように‼️
さらに番組は続きます👍