駅前からシャトルバスに乗り込み約30分、工事中の駿河湾沼津サービスエリアで下車。
すでに多くのランナーが集まっているが、建物は建築中だし、道路にはラインも引かれていないし、ガードレールもなく、現場の真っ只中にやって来たようで、当然トイレは仮設で長蛇の列。
だが空はしだいに明るくなってきて、寒くはない。
用意したアームカバーはつけずに、ケータイも持たず、トイレ待ちの師匠「auちゃんパパ」と別れ、身ひとつで早々に3時間代の後ろにつきスタートを待つ。
人だかりが近づいて来たので見ると、「石原良純」がニヤニヤしながら歩いていた。
フン、今日の天気はドピーカンだ; オマエの天気予報なんぞいらんから、タウンページ持ってとっとと帰れ。
なんて思ったのがいけなかったのか、スタートするとドンドン気温は上昇、ドピーカンもほどがある夏日と言ってもいいくらいの陽気に、へばるランナー続出、救急車や救護車が後半大忙しになってしまうのだった
9時30分、号砲とともに列が動きはじめ、約30秒でスタートラインを通過、思ったほどの渋滞はなく、まずは順調なすべり出し。
1キロを5分14秒で通過、ややペースをおとして沼津トンネルへはいる。
路面は濡れていて、ランナーたちがたてるビチャビチャという音が、アトムの大群が走っているようだと笑ってしまう。
トンネルを抜けると空は一層明るく、雲は切れ,、5kmの時点で汗ビッショリ。
が、最初の給水所をスルーして、次の10kmを目指す。
高速道路の横断橋の上から降りかかる、数少ない応援に手を振りながら、左手にキラキラ光る駿河湾を望み、右手に山頂に雲を抱いた富士山を見ながら、しだいに高速道路の体裁をなしてきた道をひた走る。
事前に師匠が言っていたとうり、道はゆるやかに1、2km登り、ゆるやかにまた下るという繰り返しで、じわじわと脚にダメージを与え続ける。
それでもペースを崩さず、富士宮トンネルを抜け、冨士川を越え、走りながら脚つり対策用に持参した「塩熱サプリ」をかじり、折り返しのタイムは1時間51分とまずまずのペースだった。
今回は前2回の失敗をふまえ、20kmを過ぎたら給水所でストレッチをしてから走り出そうと決めていた。
28kmの辺りで、正午の放送を聞く。
9時半にスタートして、2時間半で28km これなら頑張ればイケル、と思った。
復路は左手前方に見える富士山の雲が切れ、くっきりと稜線が宝永山まで見せてくれ、頭に雪を戴いた富士山の姿にいくらか癒され、自然に笑みが浮かぶ
が、33km地点で、またもや魔が待ち受けていた。
「塩熱サプリ」を計画的に補給し、給食所でバナナや梅干しも食べ、歩き出した多くのランナーを尻目に走り続けていると、それは突然やってきた。
右の坐骨に痛みがはしり、膝にそれが移り、次いでふくらはぎの血管が生き物のようにのたくり、つった。
ウッと呻いて、思わずつんのめりそうになった。
かろうじてこらえ、道路の端に寄ってふくらはぎを伸ばし、屈伸して回復を待ち、ゆっくりと走りだしたが、1㎞も行かないうちに再びつってしまい、足を引きずり歩くはめに
過去2回の大会でもそうだったが、脚がつったあとは必ず呼吸も乱れ、喘ぎ、汗がどっと吹き出し。疲れが一気に襲いかかる。
もうこうなったら、1㎞を10分かかっても再び走れるようになるまで早足で歩き続け、遅れを取り戻すしかない。
気がつけば、周りのランナーのほとんどが歩いているし、中央分離帯のフェンスや植え込みがつくる僅かな日陰を求めて一列縦隊になっている。
給水所が恋しくて仕方がない。
スタッフの人の「あと1㎞行けば給水所」の声に背中を押され走りだしたが、なんと今度は左のふくらはぎの血管がのたうち、つった
この期に及んで両脚つりなんて、最悪の展開だ
日差しは容赦なく照りつけ、側道を救急車や救護車が走り抜ける。
たどり着いた給水所で頭から水をかぶり、ストレッチ。
残りあと5㎞、もはや4時間切りはあり得ず、記録更新も怪しい。
道路にしゃがみ込んだり、倒れているランナーが羨ましく思えるぐらい息が上がり、両脚が疼く。
前方に沼津トンネルが見えてきた。
トンネルの中の涼しいところで最後のストレッチをして、残り2㎞を走り切ろうと思った。
タイムは4時間15分を回った。
あと10分でゴールすれば自己ベストと並ぶが、どうやらそれもこの脚ではムリのようだ。
もうゴールが見えている500メートル手前で、ダメ押しの脚つりが襲い、悔しさを噛み締めて立ち止まってしまった。
だがなんとか最後は走ってゴールし、結果ネットタイムで4時間34分53秒で記録更新ならず
総合順位は3685人中1139位、年代別順位では701人中179位だった。
師匠「auちゃんパパ」とは一度も顔を合わせなかったが、フィニッシュを見届けたかあちゃんの話では、ゴールしたとたん座り込んでしまったそうだ。
彼は数日前に職場の駅伝大会で痛めた脚が災いし、明け番で余り寝ておらず、脱水症状を起こす寸前ぐらいまで追い込まれたそうだ。
だがさすがに師匠はオヤジより速く、タイムは4時間12分26秒で、総合順位は734位だった。
10㎞の部に出た小僧も1時間切りを果たせず、MacBookは当分お預けだ。
死にそうな連中
來年の夏、御殿場から三ヶ日までが開通してしまえば、もう2度とマラソンなどできない高速道路だが、貴重な体験ではあったが疲れた。
もしまたどこかの高速道路を走れる大会があったら出るか と問われたら、師匠ともども即座に
「もう絶対に高速道路は走らない !!」
と答えるだろう。
それにしても、短期間に2度もフルマラソンはキツイや
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