「そんなこっちゃ、完走できんだろう !! 」
と、誰もが思っていたが、ある晩「ユイたんママ」からの提案で、千住からお台場の「大江戸温泉物語」まで走ったらどう ? ということになった。
着替えなどの荷物は、「ユイたんママ」が車で運んでくれるので、現地で落ち合うことで決定。
決行は17日の日曜日。
事前に調べたら、およそ距離は22.9km。
時速8キロのペースで行けば、2時間52分くらいで到着する。
まあ、3時間とふんで、10時にスタートして午後1時着というところか。
オヤジは先週の水曜日に走ったあと、またまた左膝が痛くてずっと足を引きずっている有様だし、「akkoちゃん」は前夜に飲み会で調子こいたらしく、伴走する「ババッチ」もあまり体調はよろしくないという。
んなこといってもしょうがない。
いつかはやらにゃならんのだ。
千住新橋に10時に集合して、ボチボチ走りはじめた。
たまたま板橋区のマラソン大会が行われていて、多くのランナーに混じって、1キロ8分ペースの我々は次々と抜かれながら堀切橋を目指す。
5キロ走ったら筋肉痛という「akko」嬢、堀切橋の先は未知の領域だといい、早くも息が上がっている様子。
イヤホンを耳に入れた「ババッチ」は、我々の会話に耳を貸さずマイペース。
四ツ木橋を過ぎ、平井大橋、小松川橋と通過して行き、荒川ロックゲートの手前で「akko」嬢からトイレタイムの申告。
河口から2㎞のあたりの公衆トイレに彼女を残し、「ババッチ」と歩いて先へ進む。
ようやくここまでで行程の半分。
この先真っ直ぐ新木場の方へ進めれば楽なのだが、なんせ橋がないし道がないので、東西線の鉄橋の下から一般道へ入って迂回することになる。
再び身軽になった「akkoちゃん」を交えて走り出し、信号待ちという小休止を入れながら明治通りを進み、夢の島大橋を渡り終えたところで給水タイム。
お疲れのふたりに合わせて、そこから新木場まで徒歩で移動。
湾岸道路を避けて、その裏の海沿いの道を走り、東雲駅を通過、お台場の観覧車を視野に入れ、東京ビッグサイトが見えてくると、
「もう、ここまで来れたら、まんぞく・・・」
などと、弱音を吐く「akko」嬢。
「東京マラソン」のゴールはここだが、本日のゴールはこの先の「東京大江戸温泉物語」なのだ。
まだあと3、4キロはある。
ビッグサイトの前で信号待ちで止り、ふと見ると「ババッチ」と「akkoちゃん」のコンビは、膝に手をついてへばっている。
おいおい、反省期を過ぎたびっこ引いて走っているオヤジがまだ大丈夫なのに、いい若いもんがだらしない。
まあ、ここまでくれば後は道を間違えることもないから、ふたりしてラブラブのベタベタであとからくればいいさ。
あばよっ てな感じで先に行くオヤジ。
そうはいっても、もう足はあんまり元気でない。
時々屈伸をしながら進み、最後の信号を渡って「東京大江戸温泉物語」の入口へ向かうと、なんと、“マゴ”が手を振ってヨチヨチと駈けてくるではないか
走り寄り、抱き上げる。
頭の中には映画ロッキーの挿入曲「The Final Bell」が鳴り響く、
「ユ～イ た～ん」
タイムはジャスト3時間。
おーい、「akkoちゃん」やぁ～い。
遅れること5、6分、ようやく「akko」嬢が現れる。
「ユイたん」ヨチヨチと走っていき、感動のハグハグでゴール。
温泉前でへばる「akko」嬢。おーい、「ババッチ」やぁ～い。
さらに遅れること、5、6分、別の方向から「ババッチ」登場、そしてゴール。
お疲れさん !!
あとは温泉で汗を流し、食べて飲むのだ。
本日のカロリー消費から換算すると、生ビールは5、6杯飲んでもいいのだ。
店を休むわけではないので、オヤジだけはさっさと飲んで帰るのだ
走った後の夕陽が眩しい。明日も天気だぜ。
注;「大江戸温泉物語」で生ビールをたのんだら、まったく泡のない泡0のビールを出された。
反省期以上生きてきて、泡0の見た目麦茶のようなビールを出されたことははじめてだった。
しかも、保冷のプラスチックのジョッキをキンキンに冷やしているのはいいのだが、水が付着したまま凍らせているので、飲むたびに氷の破片を口の中から出さなければならず閉口した。
ワシはもうこんなビールは飲まんゾ !!
