だがつい失念していたのだが、新藤原から先は野岩鉄道になり別料金、湯西川温泉駅で500円を払うことになる。
この夏最後の練習会という名目で五十里湖や葛老山を走ろうってことで、チームモグランポ5人で出かける予定だったのだが、肝心の師匠が間際になって膝に炎症を起こしドクターストップ。
秋の大会のため、大事をとって荷物番として同行することになり、代わりに娘の「auちゃん」が走ることになった。
9時過ぎに湯西川温泉駅到着、ホームに降り立つと全員が「さ・む・い !! 」と身を縮めた。
葛老山トンネル内の単線単式ホームの地下駅で、標高は600メートル近いので、トンネル内の空気は冷たいのだ。
エレベーターで上に上がると陽射しは温かく、雨男の師匠が走らないからカラっと晴れて気持ちがいい。
駅前には国産第1号の水陸両用バスが、乗客を乗せてダム湖探検に出ようとしている。
時間があればそのバスにも乗ってみたかったが、本日は日帰り、まずは目の前に広がる五十里湖を1周する。
都心部の水がめは水量が少ない、肝心のところに雨が降らないのは深刻だ。
雨男をしばらくこの地にとどめておいた方が良いのかも、なんて目で師匠を見て出発。
会津西街道を外れれば交通量はグッと少なく、五十里湖1周約5kmは走りやすい。
10歳の「auちゃん」、健気にもかあちゃんや「むっちゃん」と一緒に走っている。
身体ならしを兼ねてゆっくり湖を1周して、道の駅湯西川へ戻って来た。
頑張った「auちゃん」、かあちゃんと共にラストスパート。
マスコットのカッパくんも出迎えてくれる。
「auちゃん」はここでパパと足湯にでも浸かって、大人たちが山から帰ってくるのを待つ。
かあちゃんと「むっちゃん」、「ホリちゃん」とオヤジは、道の駅湯西川の駐車場の裏手から葛老山(かつろうやま)標高1123mへ向かう。
昔は軽い登山な感じの山だったようだが、今じゃ道が整備されて、片道1時間半程度のハイキングコースになっている。
「ホリちゃん」や「むっちゃん」のはじめてのトレイルランニングにはいいだろうと選んだが、入り口の案内板には熊が出没との張り紙が
だがまあ、「森のクマさん」でも歌いながら行けば大丈夫だろうと出発。
往復3時間はかかるまい、少なくとも1時間は短縮できるだろう。
入り口からいきなりの急階段が続く。
数カ所で倒木が道を塞ぎ、乗り越えたりくぐったり。
道の途中には木で掘ったカッパの七福神が道標代りに置かれ、道に迷う心配はない。
かあちゃんは落ちていた木の枝を杖がわりに最後尾を歩き、先頭を行く「ホリちゃん」は蜘蛛の巣を払いのけながら、熊が出たという第一休憩所を過ぎ、高圧鉄塔やアンテナを目印に頂上を目指す。
落ち葉が堆積してふかふかで、足にやさしい。
樹々の合間に五十里湖や川治湖が見える、風は涼しく気持ちがいい。
第二休憩所のすぐ脇が葛老山の頂上。
帰りはほぼ走って下り、プチトレイルを味わい、30分程度で入り口へ戻って来た。
道の駅湯西川の2階には日帰り温泉施設があり、大人500円でかけ流しの温泉に浸かれる。
薄にごりのやや硫黄臭のある湯で汗を流し、1階の食事処でまずは生ビール。( スーパードライ )
鹿肉のコロッケなどをつまみながら杯を重ね、名物のダムカレーを注文。
左が大盛りの湯西川ダムカレーで、右が川治ダムカレー、どちらにもダムマニアが喜ぶカード付き
地野菜がゴロゴロ、大根が入っているのには驚いたがワルくない、懐かしい味のカレーだ。
もうひとつ名物、湯波玉丼。
京都の湯葉は葉っぱだが、この辺りでは波、湯波と書く。
そうやってみんなで腹ごしらえをしているところに、後にテレビクルーを従え、ひとりのおっさんがふらっと入って来た。
着ているベスト前後ろには決めゼリフの
「OK牧場」 がプリントされている。
オオッ ‼ ガッツ、ガッツ、ガッツ 石松じゃないかぁ
すかさず、かあちゃんのオバサンパワーに火がつき、ガッツにサインをおねだり。
「auちゃん」親子も「むっちゃん」もガッツとツーショットに収まる。
むろんかあちゃんだってツーショットだ。
う～ん、何も知らなきゃただのお爺ちゃんですな。
だがしかし、さすが元ボクシング世界チャンプだ。
握手した手は分厚く、あの雰囲気のまま腰は低く、ヘタな芸人顔負けの一生ものの決めゼリフ持っているベテランタレントだ。
どうやら地元ローカルテレビの旅番組のレポーターをしているようだ。
ダムカレーを一口食べてコメントしている後ろに、我らは最適なガヤとして写っているかもしれない。
予想外のガッツにガッツをもらい、いい気持ちちゃんで湯西川温泉を後にしバスで鬼怒川温泉へ行き、特急券を買いたしスペーシアで飲みながら北千住へ戻った。
ガッツだぜ
