ふつうなら小僧なんて言えない歳なのだが、小僧はまだ小僧のままで違和感ない。
もっとも近頃は、ちょっとオッサンくさいところもでてきたが・・・・。
こんなに生きてくれるとは思わなかった。
小さいときはご飯も食べられず、ガリガリで泣いてばかりいて、すぐに引きつけを起こすので目が離せなかった。
オヤジもかあちゃんも、ヤツに障害があることをなかなか認めたくなかった。
身体に、心にいいというので、バイオリンを習わせたこともあった。
ご近所や同級生の子供たちに恵まれ、1年就学を遅らせて普通学級に入学できた。
学校の行き帰り、授業の途中で行方不明になることも度々、どこかで服を脱いですっ裸で帰ってくることも。
教師や学校とやりあったことも数々。
それでも小学校は無事に卒業して、中学にも近所の同級生にお世話になりながら通い、いじめにあったこともあるけれど、けっして同級生を悪く言うこともなく、本人なりに楽しく卒業できた。
高校は都立の養護学校。
先生に恵まれたけれど、ここでも脱走して行方不明になり、警察のお世話にもなった。
体力が付いてきて、暴れて駄々をこねたヤツを制御するのに本気を出さねばならなくなった。
10数年薬を飲んでいたから、そろそろ大丈夫かもと思っていた矢先に引きつけをおこし、舌を噛まないようにととっさに口に入れた手を思いっ切り噛まれて、こっちが悲鳴を上げたこともある。
「恋」という意識が少し芽生えたのかどうか ?
高校の卒業式のとき、年下の女の子に突然「結婚してください !! 」などと告白し、周囲は騒然。
しかし本人は言ってしまったらスッキリしたのか、もうぜんぜん執着なく、とっとと帰ってしまうというお粗末。
それから福祉作業所にお世話になり、毎日まじめに通勤してキチンと給料を頂いてくる日々か続く。
20歳になったときに、ヤツが早世してしまうなんてことは考えなくなった。
だから次の10年を見越して、オヤジの楽しみでもあるが、泡盛の8年ものの古酒を買って棚の奥にしまって寝かせた。
ヤツが30歳になったら、取り出して乾杯できるかもしれないと。
2006年の7月に、オヤジの見よう見まねで携帯でブログをはじめた。
「小僧」の誕生だ。
あれから7年、最初のうちは戸惑うこともあったが、ほぼ毎日ケータイ日記を綴っている。
内容はまあ意味不明のものが多いが、時事問題からスポーツまで話題は広く、オヤジがブログを怠けていると、先にネタをバラしてしまうこともあったり
常連さんから逆に教えられて、小僧がご家庭の事情をバラしていることを知ったり
店をやっていた良かったことのひとつは、常連さんたちがみんな小僧に別け隔てなく接してくれたことだ。
「Cちゃん」「バーバーくん」、「チチ」「サバ兄」、「ジョニー&ヒカル」、ほんとうにいつもありがとう。
さっき、ここ十数年毎日のように繰り広げられる我が家の朝の光景を、はじめて小僧がストレートに書いたときの日記をみつけた。
『2006/11/23「今朝」
今朝は、うるさいと、うるさいと、うるさいと、うるさいと、うるさい!と、うるさい目で……………………………………………………。
うるさいな………………………………………………………………………………………。
2006/11/23「今朝」
朝からうるさい!!
母ちゃんからうるさいと、うるさい!と、うるさい!と、うるさい!と少し、黙った。
朝の5時過ぎ。
5時20分頃に、目を覚ます。「朝」が…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。と、うるさいと、うるさいと、うるさいと、うるさい!と』
目覚めた瞬間からデタラメニュースをアナウンスする習性は直らない、よっぽどひどいとオヤジが「ウルセー !! 」と叫んで飛び起きたりする。
それでも時々、読んでいて感心してしまうようなシュールなポエジーな文章を書いていることもある。
今だに定期的に医者に通い、脳波をとったり薬をもらっているので、マラソンを走ると言ったたときにはビックリした。
何かあったら大変だから、仕方なくかあちゃんが付き添って5㎞を走ったのだ。
それが今じゃ、何にも心配は要らない。
マラソンという個人競技が、小僧には性にあっていたのだろう。
あくまでマイペースで、あんまり頑張りすぎないで楽しんで走るということが
ここでも人に恵まれた。
師匠や「ハマちゃん」「ホリちゃん」、「投げちゃん」や「むっちゃん」、みんな気を使ってくれてありがとう。
最近の小僧の日記から
『2013/8/27 「30歳を金曜日」 ケータイ日記
もうすぐ、30歳に、入ります
また、30歳の年は、入ります』
『2013/8/29 「9月に、iPhone」 ケータイ日記
いよいよ、9月に、iPhoneを発表されます
また、30歳は、いよいよ、入ります
30歳までは、早いな』
小僧にしてもこの10年は早かったのだろう。
じいさんが、ばあさんが往くところも見て、オヤジの外見的変貌も見て、小僧自身も少しは成長しているのだろう。
20歳の時に寝かせた泡盛を開けて味わおうかと思ったが、思い直した。
あと10年寝かせておこう。
開けたら一晩で終わってしまうが、あと10年楽しみをとっておこう。
小僧が40歳の時に、その時なら一口ぐらい付き合えるかもしれないという期待を込めて。
小僧が今日まで生きてこられたのは、皆さんのおかげです。
これからどんどんオッサン化していくかもしれませんが、本質はピュアなままで、障害は個性と思ってください。
どうぞ街中でも店でも、見かけたら一声かけてやってください。
TSUTAYAには毎日通っていますので
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