⚠ ネタバレ注意 まっさらで映画を見たい人は、以下の駄文は見ないほうがいいかも
以前にも書いたが、ヴァンパイア映画はだいたい観ることにしているので、2008年公開のスウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」のハリウッドでのリメイクだとしても、やっぱり観ちゃうのである。
まして主演女優があの「キック・アス」の「クロエ・グレース・モレッツ」ちゃんだと知ったら、ぜったい観ちゃうのだ。
ただ監督が、あの最悪な産業廃棄物映画(個人的見解です)「クローバーフィールド/HAKAISHA」の「マット・リーヴス」だということが気がかりだったが・・・・・。
はっきりいって、ここまでコピーしなくてもいいんじゃないの、っていうぐらいオリジナル映画をなぞっているが、そんなにイヤな感じではない。
むしろ、時代設定を1980年代にしたことがアメリカらしさと、オリジナルの雰囲気を壊さなかったことに一役買っている。
主人公たちの名前が「エリ」と「オスカー」から、「アビー」と「オーウェン」に変わり、物語の舞台をストックホルムからアメリカのニューメキシコ州ロスアラモス(これだけでもうホラーな感じで、空にはUFO飛んでそうしかし映画では深々と雪が降ってるんです。ロスアラモスなのに)に変え、効果音と音楽とVFXが派手に、アメリカン・ホラーというかハリウッド的なスリラーになって、より怖さを強調しようとするのは常套手段だが、映像的に分かりやすい説明カットが入っちゃうのはいささか気になった。
好みからいえば、静かに淡々と描かれる「ぼくのエリ 200歳の少女」の方が好きだが、かあちゃんはこの映画を観て理解できず、スッキリしない思いを味わった。
しかしどんなに分かりやすく作っても、理解できずスッキリしない観客がいることは、オヤジの後ろの席で観ていた年の頃は20代半ば過ぎぐらいの女性たちの感想でわかった。
要はヴァンパイアという異形の存在についての、理解が浅いのだろう。
最近のヴァンパイア映画は「トワイライト」のようにライトで、昼間でも活動できるヴァンパイアものも散見され、組織を作り「血」を管理しながら闘争する「アンダーワールド」や「ブレイド」のようなアクションホラーが主流で、古典的な吸血鬼ものは余り見られなかった。
それがあの映画史に残る名作「吸血鬼ドラキュラ」の「ハマー・フィルムズ」がリメイクした「モールス Let Me In」は、古典的要素を持った吸血鬼映画といえるのだ。
原題の「Let Me In」「私を中に入れて」というのも、伝統的なヴァンパイアものの不文律で、12歳のよすがのない少女が200年もの時を経て存在していられるのは、切ない経緯で庇護者になった少年との「小さな恋の恐怖のメロディ」があったからなのだ。
人の血を飲むという因果から逃れられず、「大人」になれない永遠の「ヒットガール」を、「クロエ・グレース・モレッツ」ちゃんは好演している。
「レオン」の「ナタリー・ポートマン」以来の逸材だと、かように思うのであります。
ちなみに、原作の小説はまだ読んでいないが、これを機に読みたくなった。
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