絶食の初期に狂ったようにギャースカ鳴いた腹の虫は、21日間固形物を摂らず耐えた挙句の三分粥や五分粥が入ったくらいではウンもスンもなく、七分粥になったらようやくため息のように
「クゥ〜、クククク、ク、キュ〜ッ (オイ、これだけ?ク、ハアァ〜ッ) 」
と弱々しい不満の声を上げた。
その情けない鳴き声がひっきりなしに腹から漏れ、せっかく24時間点滴がなくなりラクに寝返りをうてるようになったというのに、目が冴えてぜんぜん眠れない。
映画を2本観ようが穏やかな音楽を聴こうがまったく眠気は催さず、同室の患者のイビキの合唱を聞きながら2時になり3時をむかえ、とうとう4時を過ぎ5時になってしまった。
時どきウトウトっとした時に巡回のナースのライトの灯りを浴びて我にかえり、ますます目が冴えてしまう。
6時になり廊下の明かりがつくとトイレに立ち、ついでに廊下の端に置いてある体重計にのり体重を計る。
42.6㎏、服を脱いだら41㎏台だ😮💨
食事がはじまったというのにちっとも体重は増えない。
ここ3日ずっとほぼ同じ体重で、少しばかりの味のない粥程度では体の維持に精一杯で、筋肉に回る栄養はないのだろう。
それでも朝食前の30分ほどを何周かフロアを歩き、朝日が浴びられればそれを受けストレッチし体をシャキッとさせる。
だいたい昼にちかい時間に理学療法士のお兄さんが顔を出してくれて、血圧を測った後にごく軽いリハビリを指導してくれる。
そして毎回自分の体力のなさ、バランスのなさにがく然とする。
ベッド高さを少し下げて膝が腿より高くなるくらいにして、両手を胸の前でクロスしてそのまま立ち上がることができるか?
まあなんでもない人は問題なく立てるだろうが、情けないことにこのポンコツはそれができない😱
両手のクロスをやめて前に真っ直ぐ手を伸ばして同じことをしても、やはりもがくだけで立てない。
ベッドの高さを元に戻してやってみて、やっと、歯を食いしばって渾身の力でヨロヨロと立ち上がれた。
こんな状態じゃあ、ウンコ座りから立ちあがろうなんて10年早いよなぁ😓
そして次に唖然とするのは、片足立ちができない現実。
左右の足を代わる代わる軽く上げて何秒維持できるか、やってみると‼️10秒もたたずにグラグラしてきて倒れそうになる。
特に右足が致命的で、8秒待つか持たないか😱😱😱
理学療法士のお兄さんによると、片足立ちで10秒持たないと歩いていて転倒の危険がものすごく高まる、とのこと。
さもありなん・・・。
退院して毎日散歩するつもりだが、近場の公園一周くらいならなんとかなるだろうが、店までの距離を転ばずに歩いてゆくのはかなり怪しいかもしれない。
1㎞以上の道のりを歩くにはやはり当分歩行器のお世話になるしかないだろう。
「投げちゃん」、もうしばらく歩行器をお借りするよ🙏
ハアァ😮💨 筋肉の衰えはもう致命的。
とくに下半身の4大筋肉、大臀筋 大腿四頭筋 ハムストリングス 下腿三頭筋の落ちまくりぶりは目を覆うばかりだ。
骨と皮と皺ばかりになった腿の一番太いところは、両手が軽く回せるほど細い。
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まさに棒人間の足。
それに加えてお尻の情けないこと😓
膨らみはなく、尾てい骨がコブのようにとび出し、仰向け寝すると骨が当たって痛くてしょうがない。
不様、みっともないとしかいいようがない。
これでマラソン走ってましたなんて言ったら、知らない人はせせら笑うだろう。
ベッドや椅子からヒョイと立ち上がれない、片足立ちが続かない、不安定な歩き方、これ全部、大臀筋 大腿四頭筋 ハムストリングス 下腿三頭筋の無さが招いたこと。
下半身を鍛えれば人体の6割以上の筋肉を鍛えられるといわれているが、過去10年走って育った筋肉がもはや0️⃣、いやそれ以下になってしまった・・・。
前回の退院後のように立ちくらみや手の震え、口のワナワナは今回はなさそうだが、体の衰えは前回以上かもしれない。
こいつをなんとかするにはカロリーやタンパク質を口から効率よく摂取して、毎日少しずつの運動を続けていくしかないのだろう。
やっと出た僅かな七分粥くらいではとても追いつかない。
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嗚呼、腹へった。