愚痴であります。
なぜわたしは面白い本に出会えないのか。
面白かった!と言いたい。読んで良かった!と言いたい。
が、最近そんな本にはとんとお目にかかることがない。
出会いに感謝出来るような本を読みたいものだが、一体どうやったら出会えるのだろう。
「そこそこ面白い」という本はいくらでもある。
読む本のほとんどはこのレベル。点数をつければ70点くらいの本。
が、70点の本をいくら読んでも、感動には結びつかない。
……最近、70点の本が鼻についてしょうがない。
読めばそこそこ面白い。が、何を読んでも「そこそこ」で、近頃は徒労感さえ感じる。
読む前と読んだ後で、自分が変わったとも思えないような本を何冊も読んで、
そこに意味があるのかと。
心を動かす、躍動させる、情熱を感じさせる。
こういうのが「面白かった!」の本だと思うのだが。
本を読み終わった時、気分が高揚する経験はしばらくない。これは読み手の感性の問題なんだろうか。
まあ、年と共に瑞々しさは失われ、感性が鈍ってきているのはたしかに感じる部分ですが。
感動するってのは驚くことだと思う。
場合によって方向は違うけれども、無意識のうちに想定していたものとは別の(より高い)
ものと出会った時に生まれる感情。
……だが、人間の心はとても順応性が高く、同じ刺激でそう何度もは驚けない。
何冊も読んでいると、結果として70点の本が増え、だんだん鼻について来る、という流れか。
少し読む本を減らすべきなのかなあ。機械的に読んでしまっているとは感じているのだが……。
でも活字中毒ではあるので、読まずにいるのもツラかったりするし。
そもそも読まないと出会いもないでしょう。
数えてみれば去年は270冊ほど読んだ。そのうち何冊かは85点、90点はあるが……
まあ90点くらいだと有難いと思えるんですけどね。
一応満足感もある。が、90点では高揚までには至らない。
近年だと……出会いを感謝したのは、3,4年前に出会った、池上永一「風車祭」と
ディネーセンの「アフリカの日々」くらい。
2年前の辻邦生「春の戴冠」も再会を感謝したか。再会だからその分稀少感がないけれど
でもまあ辻邦生は愛ですから。
ああ、本を読んで、わくわくしたいなあ。
時間が瞬く間に過ぎていく、とか、ページをめくる手がどうしても止められないとか、
読み終わってしまうのが勿体ない、とか。そういうのってとっても幸せな体験なんだけどね。
なぜ星の数ほどある本の中で、そういったものに出会えないのか。
わたしは悲しい。
結局、本に多くを求めすぎということなのか。
※※※※※※※※※※※※
こんなことを書いていたら、こんなことを書かれました。良いタイミングだ。
http://www.aspara.co.jp/atsuya-furuta/2008/02/post_13.html
まあこういうのもささやかながら共時性。本の世界では時々起る。
(本の世界に限ったことではないのかもしれないけど、わたしの経験では本の世界が多い)
せっかくだから読んでみようとは思うが……うーん、ジャンル的にはあまり食指が伸びない系統かも。
もっとも、視界外の本だからこそ意外な出会いがあるってことはありますからね。
食わず嫌いせずに、何でも食べてみることが大事。
……ま、でもわたしの課題図書リストは1000冊を軽く超えているので、
古田さんお薦めの「真犯人」を読むのは、多分6,7年後に……。
お薦め返し。「真犯人」に対してなら、という観点から。
(「真犯人」中身読んでないので、想像での話ですけれどね)
島田荘司らしい大技。……だった気がする。いや、読んだのずいぶん昔で……
緻密さとか、正確さではなく、彼の大風呂敷をお楽しみ下さい。
が、島田荘司は何と言っても「占星術殺人事件」ですよ。間違いなくこれは名作。
わたしが現在までで唯一「あっ!」と言わされたミステリ。
梅原猛はほんとにトンデモな人で……。いや、哲学者としてはよく知らないが、
歴史ものを書かせると、トンデモナイです。そこが良いわけだが。
この本は(けっこう古いけど)、たとえて言えば「ダ・ヴィンチ・コード」から
エンタメ要素を抜いて(小説ではないしね)、かわりに梅原さんの大いなるパッション(^o^)を
たっぷりまとわせたような作品。下手なミステリより面白い。
これもやっぱりトンデモ系列……。が、これは完全にフィクション。
高橋克彦って、力技ありーの、パッションありーの、この人もかなりトンデモないと思います。
しかし思うんですけどねえ。
小説なんてものは、こういうトンデモない人が書くのがやっぱり面白いんですよ。
高橋克彦、島田荘司あたりは何冊も読むと濃すぎて嫌になるくらいケレン味の人々。
でもやっぱりこういう変な人たちに小説を書いて欲しい。
「70点作品」は、小さくまとまった小市民的な小説家の作品のような気がする。
バランスの美を愛するわたしにしては珍しい意見だけど、
普通にまとまった作品じゃなくて、どかんとパワフルな小説を読みたいぞ。
……パワフルなだけってのもイヤだが。
なぜわたしは面白い本に出会えないのか。
面白かった!と言いたい。読んで良かった!と言いたい。
が、最近そんな本にはとんとお目にかかることがない。
出会いに感謝出来るような本を読みたいものだが、一体どうやったら出会えるのだろう。
「そこそこ面白い」という本はいくらでもある。
読む本のほとんどはこのレベル。点数をつければ70点くらいの本。
が、70点の本をいくら読んでも、感動には結びつかない。
……最近、70点の本が鼻についてしょうがない。
読めばそこそこ面白い。が、何を読んでも「そこそこ」で、近頃は徒労感さえ感じる。
読む前と読んだ後で、自分が変わったとも思えないような本を何冊も読んで、
そこに意味があるのかと。
心を動かす、躍動させる、情熱を感じさせる。
こういうのが「面白かった!」の本だと思うのだが。
本を読み終わった時、気分が高揚する経験はしばらくない。これは読み手の感性の問題なんだろうか。
まあ、年と共に瑞々しさは失われ、感性が鈍ってきているのはたしかに感じる部分ですが。
感動するってのは驚くことだと思う。
場合によって方向は違うけれども、無意識のうちに想定していたものとは別の(より高い)
ものと出会った時に生まれる感情。
……だが、人間の心はとても順応性が高く、同じ刺激でそう何度もは驚けない。
何冊も読んでいると、結果として70点の本が増え、だんだん鼻について来る、という流れか。
少し読む本を減らすべきなのかなあ。機械的に読んでしまっているとは感じているのだが……。
でも活字中毒ではあるので、読まずにいるのもツラかったりするし。
そもそも読まないと出会いもないでしょう。
数えてみれば去年は270冊ほど読んだ。そのうち何冊かは85点、90点はあるが……
まあ90点くらいだと有難いと思えるんですけどね。
一応満足感もある。が、90点では高揚までには至らない。
近年だと……出会いを感謝したのは、3,4年前に出会った、池上永一「風車祭」と
ディネーセンの「アフリカの日々」くらい。
2年前の辻邦生「春の戴冠」も再会を感謝したか。再会だからその分稀少感がないけれど
でもまあ辻邦生は愛ですから。
ああ、本を読んで、わくわくしたいなあ。
時間が瞬く間に過ぎていく、とか、ページをめくる手がどうしても止められないとか、
読み終わってしまうのが勿体ない、とか。そういうのってとっても幸せな体験なんだけどね。
なぜ星の数ほどある本の中で、そういったものに出会えないのか。
わたしは悲しい。
結局、本に多くを求めすぎということなのか。
※※※※※※※※※※※※
こんなことを書いていたら、こんなことを書かれました。良いタイミングだ。
http://www.aspara.co.jp/atsuya-furuta/2008/02/post_13.html
まあこういうのもささやかながら共時性。本の世界では時々起る。
(本の世界に限ったことではないのかもしれないけど、わたしの経験では本の世界が多い)
せっかくだから読んでみようとは思うが……うーん、ジャンル的にはあまり食指が伸びない系統かも。
もっとも、視界外の本だからこそ意外な出会いがあるってことはありますからね。
食わず嫌いせずに、何でも食べてみることが大事。
……ま、でもわたしの課題図書リストは1000冊を軽く超えているので、
古田さんお薦めの「真犯人」を読むのは、多分6,7年後に……。
お薦め返し。「真犯人」に対してなら、という観点から。
(「真犯人」中身読んでないので、想像での話ですけれどね)
切り裂きジャック・百年の孤独 (文春文庫)
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島田 荘司
文藝春秋 (2006/10)
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島田荘司らしい大技。……だった気がする。いや、読んだのずいぶん昔で……
緻密さとか、正確さではなく、彼の大風呂敷をお楽しみ下さい。
が、島田荘司は何と言っても「占星術殺人事件」ですよ。間違いなくこれは名作。
わたしが現在までで唯一「あっ!」と言わされたミステリ。
隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)
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梅原 猛
新潮社 (1986/02)
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梅原猛はほんとにトンデモな人で……。いや、哲学者としてはよく知らないが、
歴史ものを書かせると、トンデモナイです。そこが良いわけだが。
この本は(けっこう古いけど)、たとえて言えば「ダ・ヴィンチ・コード」から
エンタメ要素を抜いて(小説ではないしね)、かわりに梅原さんの大いなるパッション(^o^)を
たっぷりまとわせたような作品。下手なミステリより面白い。
竜の柩(1) (講談社文庫)
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高橋 克彦
講談社 (2006/07/15)
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これもやっぱりトンデモ系列……。が、これは完全にフィクション。
高橋克彦って、力技ありーの、パッションありーの、この人もかなりトンデモないと思います。
しかし思うんですけどねえ。
小説なんてものは、こういうトンデモない人が書くのがやっぱり面白いんですよ。
高橋克彦、島田荘司あたりは何冊も読むと濃すぎて嫌になるくらいケレン味の人々。
でもやっぱりこういう変な人たちに小説を書いて欲しい。
「70点作品」は、小さくまとまった小市民的な小説家の作品のような気がする。
バランスの美を愛するわたしにしては珍しい意見だけど、
普通にまとまった作品じゃなくて、どかんとパワフルな小説を読みたいぞ。
……パワフルなだけってのもイヤだが。
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