プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ テランス・ディックス「とびきりお茶目なイギリス文学史」

2024年05月08日 | ◇読んだ本の感想。
とびきりお茶目な=かなり簡易的なイギリス文学史だった。
簡易的でもあり、ノリが軽くもある。でもわたしにはこのくらいが適当だった。
おかげで何人か、評伝と作品を読んでみようかと思った作家が出来た。
まあ実際に読むのは早くて8年後くらいだろうけど。

そんなに厚くない本で40人弱のイギリス人著述家に言及している。
何人かアメリカ人作家もいる。
顔ぶれ知りたいですか?


ジェフリー・チョーサー
シェイクスピア
ダニエル・デフォー(「ロビンソン・クルーソー」)
アレグザンダー・ポープ
ロバート・バーンズ

ワーズワス
コールリッジ
ジェイン・オースティン
バイロン卿
シェリー

キイツ(もしくはキーツ)
テニスン卿
ブラウニング
ディケンズ
ブロンテ姉妹

ジョージ・エリオット(「ミドル・マーチ」、T・S・エリオットとは別)
マーク・トウェイン
トーマス・ハーディ(「テス」)
スティーヴンスン(「宝島」)
オスカー・ワイルド

バーナード・ショー
コナン・ドイル卿
キプリング(「ジャングル・ブック」)
H・G・ウェルズ
ジョイス

ヴァージニア・ウルフ
D・H・ロレンス(「チャタレイ夫人の恋人」)
J・R・R・トルキーン(トールキン)
ウィリアム・フォークナー(アメリカ人。「アブサロム、アブサロム」)
アーネスト・ヘミングウェイ


30人でした。
そのうちアメリカ人が多分3人。わたしはH・G・ウェルズがイギリス人
というのがどうにもなじまないんだけど、イギリス人らしい。
フォースターが入らないんだ、と軽く意外に感じた。
そしてフォースターがヘミングウェイより20歳年上にも関わらず、
わりと近年まで生きていたことが意外。

こういう目ぼしい作家を並べた本がありがたいのよね。
イギリス文学は多分日本文学以外では唯一聞いた人が多いジャンルであって、
聞いたことのない人はほぼいない。
とはいえ、ちゃんと読んだことがある人はというと……

わたしが2作以上読んだことがあるのは、
シェイクスピア。マーク・トウェイン(アメリカ文学の文脈で)。
コナン・ドイル。ヘミングウェイ。
シェイクスピアは読ませる力がすごいと思ったし(そのせいで地下鉄を何度か乗り過ごした)、
「シャーロック・ホームズ」はやっぱり好きでしたねえ。小学校の頃がっつり読みました。

時代順に並んでいて、特に前半はほとんど読んでいませんねえ。
理由はわりとはっきりしていて、ディケンズ以前はだいたい詩だから。
日本語でも詩なんてハードルが高いのに、外国の詩人を読む気になるかという……。
でもこの本でちょっと興味が出た人もいたから、奏功だった。

「ロビンソン・クルーソー」がこんなに時代的に早いというのが驚き。
読んだことはないんだけれども。1700年くらいですよ。
イメージ的に、マーク・トウェインと同じくらいかと思っていたよ。
その200年近く前。読んでみるべきだろうか、と食指が動いた。

この本が1994年刊行だから絶対あり得ないだろうけど、
シリーズでこういった各国の文学史を出して欲しいな。
フランスのめぼしい作家は(読むとは約束できないけど)押さえておきたいし、ロシアも。
ドイツ、イタリアは知らん人ばっかりだろうな。
中国は、作品ではなんぼか辿れるけれども、小説を書いた人という意味では
フウ夢龍と魯迅しか知らん。

読んで良かった本だった。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« < ガラスの城 > | トップ | ◆ 世界遺産 大シルクロード展 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

◇読んだ本の感想。」カテゴリの最新記事