プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

< 江戸川乱歩の陰獣 >(Hulu視聴)

2015年12月22日 | テレビで見た映画。
ここはほんとは「淫獣」にしたかったところだろう。あまりに露骨すぎるので止めたかな。
1977年の映画。あおい輝彦と香山美子主演。

時代を感じる画面が新鮮だった。2人の人物の真横、若干下からの構図というのが多用されていた。
緊迫感が出るのかな。
目だけのアップというのもわりと多かったかも。
一番インパクトが強かったのが、タイトルクレジットあたりのBGM。
ある意味ちんどん屋さん?的な大衆劇っぽいがちゃがちゃした音で、江戸川乱歩でこういうのから始まるんだ、と
かなり意外。しかしこの雑な感じがわりと好きだったりした。

まあわたしは江戸川乱歩にそんなに思い入れはない。ので、普通に見れた。

あおい輝彦はこの頃30歳かー。ジャニ―ズだったというのは何度か聞いているが、その度に驚く。
その時代にもうジャニーズがあったのかと思って。
ジョーの声とかやってるんですねー。「あしたのジョーは」アニメ特番でしか見たことないから、
あんまり声はピンとこないけれども。
30歳のこの頃からすでに顔は丸い。
茫洋とした表情が、狙ってやっているのか、大根のゆえか、よくわからなかった。

香山美子はきれいでした。
他のチョイ役の加賀まり子、倍賞美津子もきれいでした。野際陽子はあまり変わらないね。
野際陽子の役なんかはもっと活躍させてもいいと思ったんだけど。
外国人の愛人役が日本人の名前で意外。

何人か、ほんのちょこっと英語で台詞があるんだけど、みんな発音が上手くて軽く驚き。
当時はちゃんと練習してから本番にのぞんだんだろうなあ。
一昔前はほんとにカタカナ発音で、これで外国人役というのは無理があるだろうと思っていた。


話はねー。どうなのかなあ。
原作は読んだことがある可能性もあるけれども、話としては覚えてない。
ただ、映画は原作の不気味さとか緊迫感を忠実に再現しようとした意図は感じられる。
そうすると、色々気になる点は映画としての弱点なのか、原作にそもそも弱点があるのか、
よくわからないんだよね。

でもまあ、最後のどんでんはすっかりひっかかった。
美人が不美人に変容することなんて簡単なんだなあ。
逆はまあ若干の難しさがあるのかもしれないけど、決して無理ではないと思われる。
時々Youtubeで、化粧前と化粧後の顔を公開している映像があって、
それを見ると、化けるってほんとやな、と思うもの。
しかしこのどんでんがとても効果的だったかというと……そうでもない。
「ああ、なるほどねー」という落ち着いた感想。

色っぽいシーンもあるが、まあこんな感じだろうなーという印象。
最後の謎解きの赤い部屋はいかにも乱歩をイメージしましたよという感じ。
しかしあんな部屋を作るまで、……ふと我に返ったりはしないのだろうか?とつい茶化してしまいたくなる。
真っ赤な部屋!そこに真っ白い椅子!しかもそこに白い花束!
この花束が生花なのか造花なのか見極めようとしているわたしは、姑息な視聴者です。


まあ見て面白かったけど、決して万人向きではない映画。期待しないで吉。


Huluにて視聴。
(配信番組は随時変更があります)

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ちゃんとDVDもあるんですねえ……。






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