プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

< さかなのこ >

2024年09月19日 | テレビで見た映画。
さかなクンは――いい人そうだし、すごい人だと思うし、嫌いというわけではないが、
何しろあの騒がしい喋り方が受け付けなくて、少し苦手。
なので、劇場公開時はまったくスルーでした。今回テレビ放映を録画して見た。

最初はちょっと入り込めないかなと感じた。
やっぱりさかなクンの映画だと思ってみると、気が散ったんだよね。
いや、こんな豪華な家に住んでるの?ヨーロッパ風で素敵な家だと思うけど。
パジャマのデザインがこれだと、けっこうさかなクンのテイストは貴族志向?
とかとかとか。いろいろ雑念が入った。

子ども時代は、わたしはけっこうさかなクンを引きずったかなー。
本人がメタ的に出てくるしね。子役は可愛かったけど。
やっぱりのんに代わったあとから徐々に入り込めた。

今のさかなクンを見るに、昔から年齢性別不肖の人だったんだろうね。
それを女性ののんが演じることで、そのものの存在を大事に出来た気がした。
これが男性役者だと、女性っぽくて、でもあっけらかんとしたところが無理でしょう。
誰かすっごく探せば出来る人がいるかもしれないが。

ハートウォーミングとファンタジーとシュールが上手く混交された作品だったね。
けっこう絶妙なブレンドだったと思う。
これは最初に思っていた「さかなクンの映画」ではなかったですね。
いや、さかなクンの映画かもしれないが、それよりも好きなことを追い続けることの
大切さという普遍的なテーマを上手に描けたと思った。

人間も上手く書けてたなー。
不良たちでさえ心温まるキャラクターだった。総長は磯村勇斗が中学生の不良を。
小学校からの同級生(特に親友ではない)は柳楽優弥が。
お母さんですな、豪傑だったのは。井川遥。ここのところ何作か、いい役で見た気がする。

さかなクンとプライベートで仲のいいらしいドランクドラゴンの鈴木が出ていたのも、
そう聞いていると微笑ましいかも。特に好きではないが。

のんは――「あまちゃん」を見てなかったので、ちゃんと見たのは初かもしれない。
なかなか良かったんじゃないでしょうか。
不良たちにびびらないミー坊を描いた脚本も良かったし、その脚本で演じたのんも良かった。
女、男ということを意識させないつくりが良かったね。声高に「差別、差別!と
いう世界にうんざりしており、この程度の自然なあり様でまずはいいんじゃないかと思った。

やっぱり創作物はね。プロパガンダになりうるんだよね。簡単にね。
そこを下品にならないように、上品に、作品の良さをつぶすことにならないように
上手に作ったと感じた。

まあご都合主義ではあるとは思うが……いい人たちばかりの話を書くんだから、
ご都合主義は仕方ないわね。下手にリアリティを追求するよりも潔いといえる。

しかし結末がどんなんだっけ?というのはもう覚えていない。
マー坊の明日へ向けての笑顔、的な感じでしたっけ?
まあいいやね。見てて楽しかったから。

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