プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

< 八つ墓村(映画・1996年版)>

2024年07月06日 | テレビで見た映画。
この1年くらいで横溝原作映像作品を何本か見た気がする。
ホラーは嫌いだから基本的に見ないんだけど。
「悪魔が来りて笛を吹く」「犬神家の一族」……以上か。
もう1、2本あったかと思ったが。

この他に小説「本陣殺人事件」を読んだことがあって、その上で思うことだが、
――ほんとーにこの人は旧家のドロドロが大好きだね!
こういう道具立てしか書かないの?マンネリとは言われないの?



まあこの映画は、人間関係のドロドロはそこまでではないけれど、
流血成分はけっこう多めだった。吹き出す血しぶき。毒殺の吐血。
が、ここまでされると若干ユーモラスに映る。むしろ怖くなくなるのでありがたいのか?
でもそこを狙ってるわけではないよね?
いいんだろうか、この血しぶき(と吐血)の配分は。

面白いとはほとんど思わなかったけど、最後までは見たなー。
いいも悪いも、特に思うことはなかった気がする。
28年前の作品ということで、出てくる役者がみんな若いなーと思って見ていた。

浅野ゆう子も萬田久子もきれいだった。
双子のおばあさんは岸田今日子でしたか!当時66歳だったようだから、
そこまで高齢ではなかった。長身のイメージだったが、この役はちっちゃかった。
156センチですか。大きくないんだな。
白石加代子はやはり怪演……。好きだ。ただ今回はそこまでオイシイ役ではなかったが。

そしてわたし、多分トヨエツ初だわ。若い頃はけっこうきれいな顔だったんだねー。
あ、違う、「漱石悶々」で見てた。
もっと癖の強い芝居をするイメージだったが、わりと柔らかい金田一耕助だった。
金田一耕助だったらもっと癖があってもいいような気がした。まあこれは演出の好み。
本作は金田一がかなり脇役だよね。重みがない。これを良しとするかどうか。

これを是とするなら、辰弥の方にもうちょっと重みがあった方が良かった気がする。
まあ特に不満はなかったが、主役というには軽いよね。
金田一が主役の作品の辰弥ならこれでもいいけど、金田一をあのくらいのあっさりさで
描いて、主役もこんな感じだと中心がない気が。


昭和24年の話ということを強調したかったのか、画面がざらざらしていて見にくかった。
わたしはもともとぱっきりした、わかりやすい色使いが好きだから。

金田一の登場と退場の画は(ほとんど同じ)きれいだったね。日本画的で。

まあでも淡々と進む淡々とした「八つ墓村」ということでアリなんじゃないでしょうか。
2019年のドラマの放送があったら見るかもしれないけど、横溝の映像作品は
これでいいかなあ。「悪魔の手毬歌」なんかも旧家の見立て殺人だから「またか」と
なりそうだしね。



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