ルッキズムとは、人を見た目で判断し、差別的な言動をすることで、外見至上主義とも言われます。
デリカシーのない人というのは、たいていどこにでもいるもので「見た目をイジるのはNG」という風潮がなんとなく広まってきた昨今でも、体型や顔について、ぽろっとデリカシーのない言葉を言われ、傷ついた出来事が私にもあります。
私は職場で、よく太った体を揶揄されました。なんとなくその場をやり過ごすために愛想笑いで同調し、心にも無い自虐的な笑いを自らとったりもして、後から切ない思いをする…なんて経験を何度もしました。
でもある日、いつも私の見た目をイジリにくる同僚の言葉のしつこさに、遂に堪忍袋の尾が切れて「私が太っていることで、何か貴女に迷惑をかけましたか?」「体型については自分が一番、気にしているし、もうこれ以上、言われたくないです」とはっきりと言い返してから、何も言われなくなりました。言った瞬間は、その場が凍りつきましたが…(苦笑)
自分がありのままの自分を認め、自分を大切にしようと決心すると、そのような心ないイジりやからかいに同意しなくてもよくなるのだとその時、知りました。
他でもない自分が、自分のありのままの姿を認めているのに、他人にあれこれ言われる筋合いはありません。
しかし、嫌だなと心で思っていたとして、「そういうのやめてくださいよ!」と言葉にするのはハードルが高いかもしれません。
そんな時は無理せず、まずは愛想笑いをやめる、あまり反応しないようにするなどというところから始めて、無言を貫いたらいいのかもしれません。見た目いじりの話が始まったら席を立ち、デリカシーのない人とは距離をとるようにするなど、自分を守る行動をとるべきです。
私は仕事柄、関わる高齢者、特に男性入居者から、身体のサイズを揶揄されることがありました。「太ってるなー」「大きなおケツや」と暇つぶしのように話題にされるのです。こういうのカスハラっていうのでしょうね。でも、高齢者にはルッキズムうんぬんも、ハラスメントも何のことだか、わかりませんからね。その人にしてみれば、相手の気持ちなんてお構いなしのコミュニケーションのつもりなのかもしれません。
そういう場合は「私の旦那さん、太ってる女性が好きなんです」「痩せたらあかん、痩せたらあかんって言います」極めつけは「旦那は、このおしりが大好きで、とても満足しています」と真顔で言い返すと、大抵、面食らって黙ります。
たった一人の私の連れ合いが、あるがままのこの私を愛しているのに、赤の他人の男性が口出しすることではないのですよ…と案に、でも毅然と引導を渡します。
自分に、そして隣人にも優しくできる。自分だけでなく他人のことも見た目でジャッジせず、内面を見て人と関われるようになるといいですね。
ダイエットの日々に、ふと考えたことでした。