雅子さんは80歳代、女性。少しウェーブの掛かったショートカットの白髪が似合っている。キリッとした美人。脳血管性疾患のため、半身麻痺がある。認知症はない。
身体の麻痺はあるが、残された機能を使って、ほとんどのことは自分でされる。車椅子への移譲も自己にて行われるし、自分なりに工夫して、片手でタオルを絞ったりもされる。相当、リハビリも頑張られたようだ。
入浴も機械浴ではなく、一般浴槽を使われる。補助板と手摺りを使って、上手に入られる。もちろん介助者は付くが、洗身もほぼ自分でされる。
お湯に浸かると、いつも「お風呂が大好き」と笑顔になる。
昔から旅行も好きで、国内外を問わず、色んな所に旅行に行ったとか、全国各地の温泉巡りをしたと話してくれる。驚いたのは、車椅子になってからも、旅行には行ったと聞いたこと。事前に相談すれば、ツアー旅行にでも、一人で参加することが出来たそうだ。
そんな雅子さんは若い頃、会計事務所で働いていたが、結婚を機に退職。子どもさんも儲けたが、色々あって…離婚。シングルマザーになってからは、夜の街の高級クラブで働いていたそうだ。
私には、経理の仕事…と話してくれたが、本当のところは、どうだろう?
美人だし、ハキハキしてるし、何より頭がいい。そういう人が、高級クラブで裏方の仕事だけしていたのかなぁ?俄かには信じ難い。
雅子さんと関わっていると、病気や障害、あるいは離婚も、人の幸せや不幸せを決定づけるものではないということを学ぶ。
どんな状況の中でも、自律的に生きていこうとする心の姿勢と行動力。そういうことの大切さを雅子さんは、いつも教えてくれる。
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