少し前のお話になりますが、クインシー・ジョーンズが何かのインタビューで、マイケル・ジャクソンを含むセレブたちのワルグチを言いまくり、物議を醸していました。クインシーはその後、Twitterで謝罪しています。
私はこの話を知らず、たまたま彼のツイートを見て、「何のことかしら?? 」とニュースを検索してみたの。
記事によって表現が色々でしたが、ビートルズやポール・マッカートニー、エルヴィス・プレスリーをはじめ、何人ものスターをこき下ろしているようです。
マイケルに関しては、
①自分(=クインシー)から多くの技術を盗んだ(と批判)
②プリンス(注:歌手のだよ)はマイケルを車で轢き殺そうとした(!!)
の2点、のたまったそうです。 『BILLIE JEAN』についても、ある曲のパクリだとか言ったようですが。(んまあ)
クインシー・ジョーンズは、私は前から少し物事を誇張して喋る癖があるのではないかと思っていました。彼のインタビューなどを読み、そういう印象を受けたのです。
そもそも、この〝暴露話〟はオフレコだったのだとか。なので、ついつい調子こいて色々喋ってしまったのでしょう。
マスコミには注意しなきゃね、何でも公にしちゃうんだから。
それにしても、「プリンスがマイケルを轢き殺そうとした」って、すごくない?? 事実ではないと思うけど。
人間は当の本人の前でも、平然と作り話を披露できる生き物です。私も今まで、こういう人を何人も見てきました。彼らには、悪気はそんなにないと思われます。でもなぜか、世間の好奇心を満たすエピソードをぺらっと喋ってしまうのでしょうね。。
でもね、やっぱり少々ガッカリしてしまいました。
他のスターも色々言われていますが、マイケルとクインシーは特別な関係だし、ちょっと脱力する。
クインシーは多分、マイケルが『BAD』の後に自分の元を去ったことを、快く思わなかったのだろうな~~などと想像してしまいます。
ただ、クインシーがマイケルに愛情を持っているのは確かだと思うし、彼は毒舌家なので、そんなに深く考える必要はないと思います。
もしかして彼、ボケたのかもね。
最後に、マイケル・ジャクソンの自伝『ムーンウォーク』に、『BILLIE JEAN』についての記述があるので、ご紹介。
【僕たちは「ビリー・ジーン」のことを「ノット・マイ・ラヴァー」と呼んでいました。というのは、クインシーがこの曲を、僕が初めに名づけた「ビリー・ジーン」というタイトルで呼ぶことに、少しばかり難色を示したからです。彼は人々がそのタイトルを耳にして、テニス選手のビリー・ジーン・キングを思い出すのではないかと案じたのです。
この曲についてたくさんの人が僕に質問をしました。答は非常に単純です。僕のことを自分の子供の父親だと言う変な女の子がいて、それに対して僕は無実を訴え「その子供は自分の子じゃない」と歌うのです。
〝ビリー・ジーン〟は実在しません(この曲の発表後に生まれてきた子たちを除けば)。この曲に歌われている女の子は、僕らが何年にもわたって悩まされ続けてきた娘たちをひとつにしたものなのです。(中略)
ミュージシャンには、その曲がヒットするかどうかがわかります。ヒットするものは、なるほどと感じさせるものです。すべてが、しかるべきところに収まっていると感じられるものでなくてはなりません。それは人を満足させ、いい気分にさせてくれます。聴いた時に、それがわかるのです。このことを、僕は「ビリー・ジーン」から感じたのでした。この曲を書いている時から、こいつはビッグ・ヒットになるぞ、と僕は思ったのです。この曲には本当に夢中になりました。
レコーディングの合間の休日、その当時一緒に仕事をしていたネルソン・ヘイズとともに、僕はヴェンチュラ・ハイウェイを飛ばしていました。「ビリー・ジーン」のことが僕の頭の中を行き交い、そのことばかりを考えていたのです。フリーウェイを降りようとしていると、オートバイに乗った少年が僕らのそばにやってきて、「火を吹いているよ」と言ったのです。その瞬間、僕たちは煙に気づき、車を路肩に寄せました。ロールスロイスの車底全体が燃え上がっていたのです。おそらく、少年は命の恩人だったのでしょう。車が爆発していれば、僕らは死んでいたにちがいありません。でも、頭の中に浮かんできていた曲の調べに夢中になっていて、後になるまで、僕はそんな恐ろしい結末を予想すらしませんでした。それに、助けられて、目的地に向かう別の手段を考えている最中も、僕は黙々と補足すべき部分の作曲を続けていました。僕はそんな調子で「ビリー・ジーン」にのめりこんでいたのでした。】
「BILLIE JEAN」は、マイケル・ジャクソンの最大のヒット曲になりました。
良き時代に。